聞き方の一流、二流、三流

未読
聞き方の一流、二流、三流
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聞き方の一流、二流、三流
出版社
明日香出版社

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出版日
2022年12月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

聞き上手は誰からも好かれるし、仕事もうまくいく――。これは誰もが認識していることだろう。では、具体的に何をすれば聞き上手になれるのだろう? この疑問に答えてくれるのが本書である。

著者は『すごい雑談力』や『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』など、雑談や話し方、聞き方のベストセラーで知られる松橋良紀氏だ。松橋氏自身、売れない営業担当者だったが、聞き方を学んだことで人生が一変。たった1カ月で、全国450人中トップの成績を叩き出したという。

そんな松橋氏はいま、悩める人々に、聞き方などのスキルを教えている。教え子たちからは「部下との関係が変わった」「全国6位の営業成績をあげられるようになった」「友達が1人から300人になった」など、多くの喜びの声が届いているそうだ。

本書には、数々の人たちの人生を変えた「聞き方」のメソッドがぎゅっと詰まっている。松橋氏は本書の冒頭で「この本を出版することで、今までの受講者のみなさんには激怒されるかもしれません。なぜなら、数万円から数十万円頂く講座の内容を紹介してしまっているからです」と語っているほどだ。

「自分はちゃんと聞けていると思う」「聞き方の本はこれまでたくさん読んできた」という人も、パラパラと目次をめくってみてほしい。どの項目も「三流は〇〇をする、二流は△△をする、一流は××をする」という形式で書かれており、「えっ!?」と驚くものがいくつもあるはずだ。自分が“聞き方の一流”ではないと気づけたら、「聞き上手」への一歩を踏み出したも同然である。

著者

松橋良紀(まつはし よしのり)
一般社団法人日本聴き方協会 代表理事
本作が30冊目のコミュニケーション心理著者。
青森からギタリストを目指して上京するが、夢破れて営業の世界へ。
営業の世界でもコミュ障のため、3年以上、クビギリギリの生活となる。
しかし、心理学で聞き方の技術を学ぶと、1ヶ月後に全国トップセールスに大躍進。
それ以来、30年以上にわたり、聞き方のスキルを探求し続けてきた聞き方の専門家。
『あたりまえだけどなかなかできない 聞き方のルール (アスカビジネス)』
『「聞き上手」はなぜ給料が高いのか』
『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす 「聞くだけ」会話術 ――気まずい沈黙も味方につける6つのレッスン』
など、聞き方スキルを紹介する書籍を多数執筆。
聞き方スキル、雑談スキル、心理スキルをテーマとした研修やセミナーで活躍中。

本書の要点

  • 要点
    1
    三流はなんとなく聞き、二流は「自分」に意識を向けて聞き、一流は第二ポジションで聞く。相手の話を聞くときは、自分のことを考えるのではなく、相手に意識を向けよう。
  • 要点
    2
    意見を言うとき、三流は相手より先に言い、二流は相手と同時に言い、一流は常に後出しをする。相手のニーズを聞いてから、要望に合わせた提案を口にするのが一流だ。
  • 要点
    3
    三流は話泥棒をし、二流は質問をして、一流はオウム返しして待つ。相手が話している間は、言いたいことがあってもグッとこらえるべきだ。

要約

「聞く」と「話し上手」になる理由

共感サインを送りながら聞く

相手の話を聞くとき、三流は話の内容だけ聞き、二流は理解を示すために聞き、一流は共感サインを送りながら聞く。

あなたは、話をしている相手から「聞いてる?」と言われた経験はないだろうか。こうした注意をされる人は、話の目的を「情報伝達」だけだと勘違いしており、相づちさえ打っていればいいと思っていることが多いものだ。だが、聞き方でもっとも大事なのは、相手に「私の話をきちんと聞いてもらえている」「私の気持ちを受け止めてもらえた」と感じてもらうことである。

一流は、視線を合わせる、表情を変える、うなずくなど、相手に「しっかり聞いているよ」というサインを送る。話している相手に対する共感サインは、信頼関係を築く上で必要不可欠だ。

聞くことを大事にする
pixelfit/gettyimages

話し上手になろうとするとき、三流は何を話したら良いのか悩み、二流は話すのには困らず、一流はトークよりも聞くことを大事にする。

著者はかつて、まったく売れない営業だった。売上トップの人の商談に同行し、営業トークを真似していたにもかかわらず、全然売れない。悩んだ著者は心理カウンセラー養成講座の門を叩いた。

カウンセリング技術を学び始めると、ある驚愕の事実に気がついた。講座で教わる内容はどれも売上トップの人が実践していることばかりだったのだ。ふたりの違いは聞き方にあり、著者が営業トークを真似したところで、売れるわけがなかった。

信頼関係を築くには、素晴らしい説明は必ずしも必要ではない。相手の話を聞くことが何よりも大切だ。

第二ポジションで聞く

三流はなんとなく聞き、二流は「自分」に意識を向けて聞き、一流は第二ポジションで聞く。

相手の話を聞いているとき、あなたは何を考えているだろう。たとえば同僚がこう言ってきたとする。「実はこの三連休、子どもがずっと行きたがっていた東京ディズニーランドに行ってきたんですよ。最新のアトラクションは150分待ちだったけど、すっごい楽しくて、みんな大興奮でした!」

三流は、この話を聞きながら「そろそろお昼だ、何を食べようかな」などと自分のことを考えているだろう。

二流は「ディズニーランドか、来月の連休に行ってみようかな。でも連休だとホテル代とかけっこう高いよな」と自分に意識を向け、相手の話を遮って「ホテル代とか、すごい高かったんじゃないですか?」と質問し始める。

二流・三流の例のように、自分に意識を向けて人の話を聞いている状態を「第一ポジション」という。一方、相手に意識を向けている状態は「第二ポジション」だ。第二ポジションにいると、心の中で次のようなことが浮かんでくるだろう。

(○○さんのお子さんたち、ずっと行きたがっていたんだ。良かったなあ)

(きっと、みんなすごく楽しかったんだろうなあ)

(帰ってからの思い出話も、盛り上がったんだろうなあ)

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要約公開日 2023.01.30
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