自分に嫌われない生き方
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自分に嫌われない生き方
出版社
出版日
2024年10月29日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

私たちの毎日は忙しい。TоDоリストに「今日やること」を書き出して、ひとつずつ消していく。こうして「やるべきこと」「やらないといけないこと」に追われているうちに、あっという間に時が経ち、「気がつけば年の暮れ」ということも少なくない。

そんな私たちに「あなたの人生、本当にそれでいいの?」と問いかけるのは、本書の著者・谷口たかひさ氏だ。著者は10代で起業し、イギリスへ留学。アフリカで学校設立に携わり、メガバンクやIT企業の取締役を経験してからドイツへ移住した。旅が好きで、これまで訪れた国は約100か国。30代にして、人の何倍もの濃密な人生を生きている。

そんな著者が大切にしているのは「自分で考えて自分で決める」ということだ。一見シンプルなようで、実はとても難しい。小さい頃から「正解」が重視され、「義務」が優先される教育を受けてきた日本人にとって、自由意思にもとづいて人生を選び取っていくことは容易ではない。けれども、周囲の目を気にしながら「やらなければならないこと」に追われる日々は、本当に自分の望む生き方だろうか。

本書では、「自己肯定感」「時間とお金」「死生観」という3つのテーマを軸に、より豊かに生きるためのヒントが語られる。「あなたの人生はあなたのもの」「ともかく動こう」「君はどう死ぬか」――そんな力強いメッセージが、あなたの背中を押してくれるはずだ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

谷口たかひさ(たにぐち たかひさ)
1988年大阪生まれ。10代の時に起業し、イギリスへ留学。卒業後、アフリカのギニアで学校設立に携わり、メガバンク/M&A/メディアのコンサルタント、グローバルIT企業の取締役を経験した後、社会課題解決を志してドイツへ移住し、起業。
2019年、ドイツで気候危機の深刻さを目の当たりにし、「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに、気候危機に関する講演を開始。その中で、最大の脅威は「他の誰かが何とかするだろう」という思い込みであることを感じ、自己肯定感も講演内容に加える。
世界中から講演に呼ばれるようになり、日本では1年で500回以上、全都道府県での講演を達成。2021年には国連総会で司会とスピーチも務めた。
現在も講演を続けており、累計で16か国、2000回に。趣味は旅と勉強で、訪れた国は約100か国。保有資格は国際資格や国家資格を含め30個以上。
著書に『シン・スタンダード』(サンマーク出版)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人生で直面する問題に「正解」はなく、それを教えてくれる人もいない。「正解」は探すものではなく、自分自身でつくるものである。
  • 要点
    2
    大切な人と意見が衝突するときは、お互いの立場を交換して話し合ってみるといい。
  • 要点
    3
    うまくいっている人に共通するのは、「人一倍たくさんの失敗をしてきた」という点である。とにかく行動して、失敗しても別のやり方でまたやってみる。それが成功の秘訣である。
  • 要点
    4
    人生は「今」しかない。未来を心配するのではなく、今を必死に生きるべきだ。

要約

【必読ポイント!】自己肯定感

人生に「正解」はない

著者はイギリス留学時、「正解のない問題」ばかりを問われたことに驚いたという。

日本にいたときは「大人の決めた正解」ばかりを探していた。そのため、自分の問題にも「正解」があるはずだと考えたり、それっぽい「正解」をくれそうな人を探し求めたりしていた。

しかし実際、人生で直面する問題に「正解」はなく、それを教えてくれる人もいるはずがない。「正解」は探すものではなく、自分でつくるものだからだ。

では、どうすれば正解をつくることができるのか。それは「自分の頭で考えて、自分で決めること」に尽きる。周りにあれこれ言われるかもしれないが、彼らが責任をとってくれることはない。だから自分で決めて、その道を正解にする努力をすること。それを重ねていくと、自然に自己肯定感が高まっていくだろう。

日本人の自己肯定感が低い理由
AzmanL/gettyimages

日本では「義務」は教えるが、「権利」は教えない――。これは、著者がヨーロッパの教育機関を訪問したときに指摘されたことだ。

家庭でも学校でも社会でも、日本では「やらないといけないこと」「やってはいけないこと」の2つを言われ続ける。だから脳はその2つでいっぱいになり、“義務脳”ができあがってしまう。「日本人の自己肯定感は諸外国よりも低い」という調査結果があるが、その要因のひとつは“義務脳”のせいだと著者は考える。

一方、ヨーロッパでは「権利」をとても大事にする。これは「やっていい(やらなくてもいい)」ということである。自分の「自由」と「権利」を尊重すると同時に、相手のそれも尊重する。つまり、あなたの人生はあなたのもので、義務を果たすために生きているわけではない、ということでもある。

自由と権利を持って、ありたい自分であろうとする。そんな人が増えていくと、自分も周りも楽しく生きられるのではないだろうか。

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要約公開日 2025.07.31
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