ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
人生が変わるテクニック112個集めました
ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2025年07月06日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「仕事に集中できない」「ネガティブな気持ちを引きずってしまう」「人間関係がうまくいかない」――本書は、そうした日常の悩みを科学的アプローチによってあっという間に解決してくれる。

本書の重要な主張のひとつは、あらゆる物事の成否を握るのは「習慣化」であるという点だ。プロローグで「習慣化に意志力はいらない」として習慣化の3つの原理を示したうえで、仕事の効率化、勉強、健康、コミュニケーション、メンタル、生活の6章に分け、日常の悩みを解決する112の習慣を紹介している。

著者の堀田秀吾氏は、明治大学法学部教授であり、司法分野のコミュニケーション研究をはじめ、心理言語学や脳科学などを横断的に探究してきた言語学者だ。国内外で研究と教育を行い、『図解ストレス解消大全』などベストセラーも多い。

本書の最大の魅力は、心理学や脳科学の知見をわかりやすく紹介しつつ、それらに基づいた習慣を提示している点である。時計の針の速さが作業効率を変える実験や、ポジティブな記憶を朝に思い出す効果、「感謝日記」が幸福度を高める事例などを裏づけにした、思わず試したくなる習慣が並ぶ。

小さな工夫で毎日は変わる。大きなコストはかけず、気軽に日々の暮らしをアップデートしたい人にとって、本書は必読の一冊だといえるだろう。

著者

堀田秀吾(ほった しゅうご)
言語学者(法言語学、心理言語学)。明治大学教授。1999年、シカゴ大学言語学部博士課程修了(Ph.D. in Linguistics、言語学博士)。2000年、立命館大学法学部助教授。2005年、ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了、2008年同博士課程単位取得退学。2008年、明治大学法学部准教授。2010年、明治大学法学部教授。
司法分野におけるコミュニケーションに関して、社会言語学、心理言語学、脳科学などのさまざまな学術分野の知見を融合した多角的な研究を国内外で展開している。また、研究以外の活動も積極的に行っており、企業の顧問や芸能事務所の監修、ワイドショーのレギュラー・コメンテーターなども務める。著書に『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(クロスメディア・パブリッシング/共著)、『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)、『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    ある作業に対する集中力を持続させたいなら、ときどき別の作業を挟むのが効果的である。
  • 要点
    2
    お菓子は集団の創造的パフォーマンスを高めることがわかっている。会議などでアイデアを出したいときに、適度に取り入れるとよい。
  • 要点
    3
    起床直後はストレスホルモンの値が1日でもっとも高くなる。朝のストレスを軽減したいなら、楽しい記憶を思い出すのが有効だ。

要約

【必読ポイント!】 仕事の効率化

時計の運針スピードを速める

東京大学の伴らによる研究では、「時計の針の動きを速めると、作業の量的質的効率が向上する」と報告されている。

実験では、キーボードを見ずに入力できる21~24歳の被験者6人に、以下の3条件のもとで30分間の文章入力作業を行わせた。

条件(1)時計の運針速度を3分の2倍に遅くする

条件(2)時計の運針速度を変えない

条件(3)時計の運針速度を1.5倍に速める

結果として、入力文字数は条件3が最も多く、次いで条件2、条件1の順だった。これは時計の速度変化に気づいていなくても同様で、疲労度やリラックス度にも影響はなかった。

作業への集中度を高めたいなら、針の動きが調整可能な時計を活用してみるとよいだろう。

別の作業を挟む
b-bee/gettyimages

イリノイ州立大学のアリガとレラスの研究によれば、作業を続けるうちに注意力が切れるのは「疲れるから」ではなく、「この作業をがんばろうという目標そのものを脳が徐々に忘れていくから」であることが実証されている。さらに、ときどき別の作業を挟むことで、脳が元の目標を思い出し、集中が持続することも明らかになっている。

たとえば、資料を作るときには、途中でメール確認やメモ整理といった軽い作業を挟むことで、集中力が続きやすくなるだろう。

誰かに何かを説明するときにも、ただ話し続けるのではなく、「いまの内容を3秒で要約してみよう」や「手元のメモを見直してみて」と別の作業を挟むとよい。

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要約公開日 2025.09.10
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