ビジネス現場での「フロー」の概念を分かりやすく解説『図解フロー・カンパニー』
【ブックスタマのイチオシ】

ブックスタマ
図解フロー・カンパニー
図解フロー・カンパニー
著者
辻 秀一
出版社
ビジネス社

最近ビジネス雑誌を読んでいて、「フロー」という言葉を目にする機会が多くなってきました。ハンガリー出身の心理学者、ミハイ・チクセントミハイが提唱した、幸福や高揚感を表した概念ですが、理解しづらく感じていました。「フロー」そのものは1970年代に提唱され、歴史も古いのですが、芸術や教育の分野でも広く使われている概念で、ビジネスの側面でわかりやすく書かれた本が少ないということも、理解しづらい一因でした。

この本はビジネス向けにフローの概念を説明した本で、図解が豊富で読みやすく構成されています。著者が医者でスポーツトレーナーでありながら、企業向けのコンサルティングの活動もしているという点も、ユニークです。単に数値目標を掲げ、プレッシャーを与えるばかりでは、心の健康が保てず、パフォーマンスがあがりません。仕事のパフォーマンスを最大化するには、心をフローの状態に持っていかなくてはなりません。著者はフローを「ご機嫌な状態」と表現しています。

このフローな状態を妨げているのが、「認知脳」です。本来、外界の状況を把握するために必要な、脳の機能である「認知脳」ですが、外界の状況にネガティブな意味づけをすることが多く、ストレスを発生させる原因となっています。外界を認知する「認知脳」に対して、心の方向を内側に向ける「ライフスキル脳」を活性化させることで心の状態を整えることができるようになります。脳の機能を分析して、フローの状態を作り出す手法を組み立てている事から、単なる精神論に陥らず、ビジネスの枠を超えた、人生を生きるためのスキルになっています。

小売業はよく「人だけが財産の産業」と言われるくらい、もともと従業員の生産性が重要な産業です。近年の働き方改革などで時間当たりの生産性の重要度がさらに増しています。 私が小売業の「フロー」状態として思い浮かべるのは、お祭りの屋台に立って、普段は見ないような大勢のお客様を目の前にして、やきそばなんかを売っているイメージです。商品が次々売れていく実感と、お客様が喜んでいる熱気が直に感じられると、従業員がいきいきして、最高のパフォーマンスを実現します。

ジャパネットタカタや英会話のイーオンなども実践しているそうです。最高の組織を作るために参考にしてみてはいかがでしょうか。

公開日:2018/05/18
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