「自分の仕事」って、なんだろう?迷ったときに立ち戻りたい働き方のバイブル『自分の仕事をつくる』
【ほんをうえるプロジェクトのイチオシ】

ほんをうえるプロジェクト
自分の仕事をつくる
自分の仕事をつくる
著者
西村佳哲/著
出版社
筑摩書房
本の購入はこちら

文庫としては2009年に発売になった『自分の仕事をつくる』は、数々の働き方の本を出されている西村佳哲さんの一冊目の本。西村さんは、働き方研究家という肩書きでいくつもの仕事場を「あなたの働き方について聞かせてください」と訪ねてまわりました。この本が単行本として発売になったのは2003年。訪ねているのは柳宗理にルヴァン、パタゴニア社、ヨーガンレールなどなど、そうそうたる面々です。

いい物を作っているひとはいい働き方をしているに違いないと、ものづくりをする人々に行ったインタビュー。有名なデザイナーやクリエイターが多いので、読者としては自分に引き寄せるというよりは、憧れとして読む働き方の本なのではないかと感じるかもしれません。私もはじめはそんな目線で読み始めたのですが、読んでみると違いました。いい結果を生み出す働き方には、共通することがあり、それは働く人なら誰にでも関わってくる働く姿勢だということが、インタビューを通して浮かび上がってきました。流行ったり廃れたりしない、クリエイターだけでなく様々な職業でも通じること。会社に勤めるような仕事以外にも、家事や育児など、自分の仕事を持つ人すべてにあてはまる普遍的なこと。

自分の仕事をつくる、というと、起業したり、何かをゼロから生み出すようなことをイメージしますが、そうではなく、この本での「自分の仕事」というのは「主体的に関わって自分事として働いている」ということ。どんな請負の仕事でも、それを自分の仕事として行い、他人事にすることがない。これがこのインタビューから浮かび上がる共通した「働き方」でした。普段、自分のやっている仕事を、やらされ仕事として他人事のように振舞ってしまうこと、ありませんか? そうではなく、自分の仕事として考え、自分の仕事として行動する。その「働き方」がいい仕事の結果を生み出すのです。

きれいごと。やりたくもない、理不尽な仕事をやらなければいけないこともある!と思う人もいるかもしれません。実際に、この文庫には、単行本が出た頃に届いた読者の反論と、それに対する返答が、あとがきとして載せられています。そのあとがきがあることがこの本の内容をぐっと広く深いものにしていて、この本がロングセラーとして読み継がれている理由のひとつなのではないかとも感じます。「すごい人のきれいな話ばっかり!」と感じた人も、是非最後まで読んでみていただきたいです。

この本は働き方マニュアルではないので、正しい答えの提示はありません。でも読んだ人それぞれが、「自分の仕事」ってなんだろう?と考えるためのバイブルになりうる本。時間がたっても古びない、読み継がれて欲しい本です。

ほんをうえるプロジェクト 船田真喜

「ほんをうえるプロジェクト」とは?

植物に水をやってゆっくりと育てるように、本ももっとていねいに売っていこうと、出版総合商社トーハンがはじめたプロジェクトです。新刊やベストセラーに限らず、独自の手法で良書を発掘し、本屋さんにご提案しています。同じ趣味をもった方同士がつながれる、「 #好きな本を語ろう 」というコミュニティを運営中です。ぜひご参加ください!

ほんをうえるプロジェクト公式Facebook

新入社員のうえだくん@ほんをうえるTwitter

#好きな本を語ろう Twitter

公開日:2018/02/16
このイチオシを友達にオススメする
1
トップも知らない星野リゾート
トップも知らない星野リゾート
前田はるみ 月刊『THE21』編集部(編)
未 読
リンク
2
会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。
会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。
青野慶久
未 読
リンク
3
トヨタ流「5S」最強のルール
トヨタ流「5S」最強のルール
原マサヒコ
未 読
リンク
出版業界に風穴を開ける「仕掛け人」
出版業界に風穴を開ける「仕掛け人」
2016.01.14 update
リンク
人間心理の本質を突く5選
人間心理の本質を突く5選
2016.08.25 update
リンク