大学生の松岡まどかは、日本有数の大手企業であるリクディード社に内定し、内定者向けのインターンに参加することになった。そこで上司となる、三戸部歩に出会う。初日から遅刻した松岡に、三戸部は「常にプランBを持って動くようにして」と厳しく指導する。三戸部は有能だったが、彼女の部署は深夜までの残業が常態化していた。またリクディードではAIの使用も禁止され、先進的な改革ができない状態に陥っていた。
あるとき、三戸部が直面した業務トラブルを解決するために、松岡はAIの使用を提案する。松岡は自分の発言をログとして記録し、それを学習データとしたAIを構築していた。社内ではAIの使用が禁じられているため、松岡は自宅でAIを使って作業を行い、三戸部はそこに同席する。松岡はAIエンジニアとして天性の才能を持っており、三戸部はそれを目の当たりにするのだった。
松岡らの事業部で事業部長を担当しているのは、郷原秀人という人物である。郷原は事業の失敗の責任を問われ、危うい立場にあった。その後任として役員会から注目されているのが三戸部だった。郷原は自分の立場を守るためにコストカットを迫られていた。自分の派閥の人間をやめさせてはいけないと、片っ端から内定者の内定を取り消していく。その手口は、募集時にAIの使用を禁止する条項があったことを引き合いに出し、内定者らに内定の辞退とそれを口外しないという同意書へのサインを迫るものであった。社会全体ではAIの利用が一般化しており、学生は少なからずAIを使用していたことから不利な立場にあった。松岡もこの手口で内定が取り消されてしまう。
同時期に、松岡はある投資家から起業をもちかけられていた。松岡はこれが自分にとっての「プランB」だと考え、起業を決意し、その投資家と契約する。ところが、この契約は「1年以内に時価10億円となる会社を作らなければ、1億円の借金を背負うことになるというとんでもないものだった。
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