「要約の達人が選ぶ、今月のイチオシ!」では、編集部メンバーが毎月持ち回りで、それぞれの「イチオシ」を紹介していきます。
今回ピックアップしたのは、「ライフ」について考える3冊です。誰しも一度は考えてしまう、だけど結論は出ないまま後回しにしてしまいがちな人生のこと。わたしの人生の幸せや充実はどこにあるのか、そんな気持ちが頭をかすめた方におすすめしたい、生きることのヒントをくれる本をピックアップしました。イギリスの13歳の「ぼく」が直面するライフ、2000年前の哲学者がとらえた人生、そして現代の予防医学研究者が提案する「フルライフ」。どのライフもそれぞれだからこそ、自分なりのライフを考えるきっかけを与えてくれます。
まず紹介したいのは、今月発売されたばかりのブレイディみかこさんの最新刊『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』。「一生モノの図書」として大きな話題を呼んだ前作に引き続き、アイルランド人の配偶者と息子との日常をつづるエッセイです。
13歳になった「ぼく」はちょっと大人になった様子。イギリスで生きる彼は、学校や日常生活の中で「移民」「LGBTQ」「ポリティカルコレクトネス」など、現代を象徴するような様々な問題に向き合っていきます。
ひとつひとつの経験を積むたび、確実に成長し、「母ちゃん」の知らない世界に足を踏み入れていく「ぼく」。そんな彼に、後悔する日もしない日もあるけど、それが「ライフ」でしょ、なんて言われたら、自分の「ライフ」についても考えたくなってしまいます。
前作の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の要約もあわせてお楽しみください。
今度は時代をぐっとさかのぼって、2000年前の哲学者の言葉に触れてみましょう。
「人生は十分に長い。われわれが人生を短くしているのだ」
現代のわたしたちが聞いてもドキッとしてしまうこんな主張をしたのは、ストア派の哲学者ルキウス・アンナエウス・セネカです。人生には偉大なことを成し遂げるに足る十分な時間があるのに、時間を忙しく浪費しているがために「時間が足りない」と嘆いているのだとしたら——。
「充実していた」「長い時間が与えられていた」、そんな実感が持てる人生は、とても豊かな気がします。 時を超えて響く哲学者の言葉に、まずは要約から触れてみませんか。
時間の使い方が気になってきたときに読みたいのは『フルライフ』。予防医学研究者である石川善樹さんが、充実した人生を送るために、時間の使い方の戦略について考えた一冊です。
本書が提案するのは、フルライフ(充実した人生)を実現するために、Well-DoingとWell-Beingのバランスをとること。明確な目的を持って役割を果たす「Doing(する)」と、目標を持たずに過ごす「Being(いる)」の最適な時間配分は、人生の時期によって変わります。
先は長いかもしれないけれど、何も考えなければあっという間に終わってしまうかもしれない人生。その設計をどうすべきか、考えるきっかけを与えてくれる良書です。