総務省と厚生労働省の調査によると、日本における生涯未婚率や平均初婚年齢は上昇し続けている。男女の収入格差が次第に小さくなってきていることなどにより、「費用の節約」「分業の利益」「リスクの分かち合い」「子どもを持つこと」などといったメリットが崩れていった結果、結婚しない人が増えてきていると考えられる。
特に大きなポイントになっているのは、子どもを持つ費用が上がり続けていることだろう。子どもを持つことの費用には、おむつ代や食費、保育園・幼稚園、習い事、塾通いなどといった直接的な金銭の支出だけでなく、「子育てをしなければ得られたであろう仕事からの収入」という「機会費用」が含まれている。高学歴でキャリアのある女性ほど多額の機会費用が失われるため、結婚にメリットを感じづらくなってしまう。
家庭における分業の利益が少なくなっていることも見逃せない。テクノロジーの発達などによって世の中が便利になるにつれて、自分たちで行う家事の総量が減っているためだ。
かつて結婚成立においては、お見合いが重要な役割を果たしていた。だが今やその役割は小さくなり、オンラインでの出会いが存在感を増しつつある。アメリカでは、カップルの2割がオンラインのマッチングサイトで出会っているというデータもあるほどだ。
本書では、ユーザーの利用動向を分析することによって得られた、マッチングサイトにおける出会いの傾向が紹介されている。たとえば、カップルの組み合わせについて。「似たもの同士がカップルになりやすい」とは、ほとんどの人が直感的に理解できるところだろう。実際、アメリカでは、年齢、容姿、身長、体重、収入、学歴のすべてにおいて似たもの同士がマッチしていることが明らかにされている。
また、オンラインとオフラインを比較すると、オフラインでの出会いのほうがより多くの同学歴カップルを生み出していることもわかっている。オフラインで異なる学歴の人と出会う機会が少ないことがその理由だろう。マッチングサイトを通して、オフラインでは出会いにくかった職業や居住地の人同士の出会いが生まれ、結婚に結びついていることもわかっている。
赤ちゃんに対してはさまざまな「信仰」がまことしやかに囁かれている。なかでも、出生体重や帝王切開、母乳育児はその対象となってきた。要約では、出生体重と母乳育児の「神話」と「真実」を取り上げる。
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