人生100年時代の稼ぎ方

未読
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人生100年時代の稼ぎ方
出版社
アチーブメント出版

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出版日
2019年07月08日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

ついに人生100年時代が到来した。大半の人にとって、将来に対する不安のうち「お金」の不安が一番大きいのではないだろうか。金融庁が作成した指針案において、年金が2000万円不足すると発表され、物議をかもしたことも記憶に新しい。こうした社会の中で、だれもが長期にわたって稼ぐ力を求められるようになりつつある。

本書は、2018年秋に行われた講座に取材や補足を加えてまとめたものである。登壇者は、お金のプロである勝間和代氏、キャリアのプロである久保明彦氏、そして人付き合いのプロである和田裕美氏だ。当日は、130名限定のチケットがすぐに売り切れ、大勢の立ち見が出るほどの反響があったという。著者それぞれの視座が重なりあい、人生100年時代をより立体的に捉えることができる本書は、まさに稼ぐ力を養うためのバイブルといえるだろう。

お金ばかりが幸せではない、しかしお金がなければ幸せになれないかもしれない。そんな漠然とした不安を抱く読者にとっては、これからの時代を事実に基づいて捉えなおす、良いきっかけとなるに違いない。読みやすい文体で書かれているため、あっという間に読み終えてしまうかもしれない。だが読後は、今後の指針がしっかりと心に根付いていることに気づくだろう。人生100年時代をより冷静に、穏やかに迎える心構えができること請け合いだ。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

勝間 和代(かつま かずよ)
経済評論家。株式会社監査と分析取締役。中央大学ビジネススクール客員教授
1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。なりたい自分になるための教育プログラム「勝間塾」を主宰するかたわら、麻雀のプロ資格取得、東京・五反田にセミナールーム&キッチンスタジオ『クスクス』をオープンするなど、活躍の場がさらに拡大中。最近では、経済と効率化の知見と実体験、研究をもとにした家電、家事のアドバイスが人気。『勝間式食事ハック』(宝島社)、『勝間式超ロジカル家事』、『勝間式超コントロール思考』(共にアチーブメント出版)など、著作多数。

久保 明彦(くぼ あきひこ)
株式会社ウイリアムズ・リー・タグ 代表取締役社長兼北アジア地区マネージング・ディレクター。
マッキャンエリクソン・インターナショナルのマネージング・ディレクター、ウェーバー・シャンドウィック・ジャパンの社長/CEO、オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンの社長/会長を務めたのち、2016年より現職。世界のトップブランド100社のうち40社に効果的かつ効率的なマーケティング・ソリューションサービスを提供する同社の北アジア地区のマネージング・ディレクターとして活躍。グローバル・マーケティング及びコミュニケーションにおける豊富な経験を活かし、日本国内はもちろんグローバルなマーケティングのサポートを提供する。スイスの国際経営開発研究所(IMD)にてPEDコース修了。ハーバード・ビジネス・スクールにてAMP修了、アメリカのウォートン・ビジネス・スクールFuture of Advertising 海外アドバイザー、米国ペンシルバニア州立テンプル大学日本校理事を務める。

和田 裕美(わだ ひろみ)
ビジネスコンサルタント・作家。株式会社HIROWA代表取締役。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。外資系教育会社勤務中は98%のクライアントから契約を得るという「ファンづくり営業」というスタイルを構築し、国内トップ、世界142カ国中2位という女性営業のカリスマとなる。2万人に一人の難関を突破して女性初、最年少で支店長に就任。その後、独立して売り上げ向上専門のビジネスコンサルタントに。大手から中小、国内外を問わず研修、講演を展開するほか、個人向けにも即日満席となるほどの超人気セミナーを開講。また独自の理論を活用し、NHK Eテレ「芸人先生」や関西テレビ「イチ推しカンパニーSP」へ出演。ラジオ出演もするなど、多岐にわたる活動を展開しカリスマモチベーターとして活躍中。著作に『お客様が心の底からYESになる成約率98%の秘訣』(かんき出版)、『何もなかったわたしがイチから身につけた稼げる技術 女性のためのカセギスキル』『和田裕美の営業手帳』(共にダイヤモンド社)、『YESの9割はフロントトークで決まる!』(日本経済新聞出版社)、『人生を好転させる「新・陽転思考」』(ポプラ社)、『女性のための一生折れない自信のつくり方』(アチーブメント出版)など多数。自身初となる絵本『ぼくはちいさくてしろい』(クラーケン)は2018年度の道徳教科書に採用。累計部数は220万部を超える。

本書の要点

  • 要点
    1
    お金の不安をなくすためには、年金や退職金を補う形で、定年退職後も仕事を続けることが必要だ。健康を損ねないことも将来的なコスト削減につながる。
  • 要点
    2
    加齢に対するネガティブな意識を捨て、やりたいことを洗い出してみよう。年を取るほど幸福になるように人生をデザインし、そのために今必要なことを実行すれば、漠然とした不安から脱却できるはずだ。
  • 要点
    3
    今後は、「その物を売っている人と関わりたい」という理由で物を買う人が増える。人材価値を維持するために、人間力を磨く努力が欠かせない。

要約

人生100年時代の課題をクリアする

定年後も仕事を続ける(勝間氏)

人生100年時代と聞いて、真っ先にお金の不安を思い浮かべる人も多いだろう。退職金の減少や年金の低下傾向からも見て取れるように、会社や国からもらえるお金は減っていく。その一方で寿命は延び、なかなか死ぬことができないのだ。

勝間和代氏(以下、勝間氏)は、お金の不安をなくす一番簡単な方法は、定年退職後も何かしらの形で仕事を続けることだという。年金が現役時代の収入の3分の2~半分に相当するならば、60代以降の収入は現役時代の半分~3分の1になっても問題ない。年金と合わせて、現役時代と同じくらいの収入を得られるように設計すればよいのである。

健康を徹底的に管理する(勝間氏)
Astarot/gettyimages

勝間氏はまた、全てのベースとなる「健康」の重要性を指摘する。健康を害すると働けなくなるだけでなく、病院代や働けないことによる収入の損失などといったコストがかかるからだ。

勝間氏は日々、「睡眠」「食事」「運動」の3つを徹底的に管理しているという。例えば睡眠と運動の管理においては、スマートウォッチを活用している。うっかり夜更かししてしまう、うっかり運動不足になってしまうなど、気を付けていても「うっかり」は起こるものだ。だから自分の意志を信用せず、ガジェットの力を借りているのだという。

勝間氏はまた、予防医療としての睡眠の重要性を強調する。睡眠は身体的な疾患のみならず、ストレスの軽減を通して精神的な疾患をも予防する。いくら稼ぐ能力があっても、睡眠不足が全てを台無しにすることを忘れてはならない。

一生働き続けられる体力をキープする(久保氏)

久保明彦氏(以下、久保氏)もまた、健康の必要性を指摘する。久保氏が自身の体験に基づいて勧めるのは、60歳になる前から運動習慣を身に付けて、筋肉をつける「貯筋」をしておくことだ。年金受給年齢は上がっていく一方なのだから、一生働き続けられるよう、健康をキープする覚悟を持たなければならない。

体力が衰えると、仕事の生産性は格段に落ちる。長時間デスクに向かう「ワーキングロング」ではなく、短時間で集中して効率よく働く「ワーキングハード」を目指したい。そのためにも、運動習慣は非常に有効だ。特に水泳と自転車は、頭の中を空っぽにしやすく、ストレス解消効果が期待できる。

「4つの管理」を意識する(和田氏)
CharlieAJA/gettyimages

和田裕美氏(以下、和田氏)は、稼ぐためのベースとなる概念として「4つの管理」を挙げている。

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要約公開日 2019.09.18
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