僕たちは、地味な起業で食っていく。

今の会社にいても、辞めても一生食いっぱぐれない最強の生存戦略
未読
僕たちは、地味な起業で食っていく。
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僕たちは、地味な起業で食っていく。
出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2019年09月20日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「起業」というと、カリスマ的な人が「あらゆるリスクを覚悟した上で行う、一世一代の大勝負」というイメージを持つ人が多いと思われる。が、著者が提唱する「地味な起業」は、そういった「派手な起業」とは正反対の働き方といえる。「地味な起業」とは、普通の人がコツコツ仕事をこなしながら経済的に自立していく働き方のことだ。ポイントは、世の中にあふれている「地味な困り事」に着目することである。

著者自身がこの働き方を見出すまでの道のりは、ストレートなものではなかった。会社員として勤め、その後起業して失敗し、試行錯誤が続く日々のうちに「困っている人を助けることでもお金を稼ぐことはできる」ということに気づいた。そして地味なサポートで収入を得る経験を繰り返すうちに、「好きなこと」「得意なこと」を見つけ出せなくても、応援したい人を手伝うことでも起業はできると確信したのだった。

本書には、著者が自らの経験から手にした、「地味な起業」の実践メソッドがかなり具体的に記されている。実際にどのくらいの難易度のどんな仕事があるのか、どんなソフトやツールを使えばいいか、仕事単価はどれくらいか、といったことまで書かれているので、もともと低い「地味な起業」のハードルが、さらに低く感じられるだろう。

「長い人生、今の仕事だけで食べていけるのか」「転職まではふん切れない」「独立する勇気もスキルもない」、そんな仕事やキャリアの悩みを抱える方は、ぜひ本書を開いてみてほしい。著者の穏やかな励ましに満ちた文章が、読者の背中をそっと押してくれるはずだ。

ライター画像
小嶋平康

著者

田中祐一 (たなか ゆういち)
株式会社ザ・リード 代表取締役/会社員のための地味な起業プロデューサー
1986年1月23日生まれ。新潟県出身、芝浦工業大学卒業。 大学卒業後は株式会社NTTデータに就職。仕事をしていく中で「この会社だけで通用するスキルで一生働いていくのか?」と葛藤。起業している先輩に「5年働けばどれだけ優秀な学生も並の会社員になってしまう」と言われたことをきっかけに起業を決意し退職。コンサルタントを名乗り活動するが、気が弱いことや、自分にカリスマ性がないことから全く稼げない日々が続いた。結果、起業資金800万円をわずか6カ月で借金100万円にしてしまい自信喪失。「自分ブランドを作らなければ」「すごい人にならなければ」「すごいアイデアを用意しなければ」と考えていたが、“地味な起業法”と出会い人生が逆転。自分を主役にするのではなく、他人を主役にして応援することで感謝の報酬とやりがいを頂けるようになる。結果、3万円、10万円と少しずつ稼げるようになる。その後、本格的にビジネスを学び、あるクライアントの売上を10倍に。それが話題を呼び、裏方の地味な仕事が殺到。 現在は「地味な起業」を含めた、本格的なWEBマーケティングを教えるビジネススクールを開講。初心者も多く参加する講座にもかかわらず、累計179名の受講生は「30億3238万円」を超える売上アップを成功させている。具体的なノウハウと、講座の「ゆったりとした雰囲気の良さ」が好評。

本書の要点

  • 要点
    1
    地味な起業は、誰かを応援することで稼ぐ、敷居が低くてリスクのない新しい働き方である。
  • 要点
    2
    地味な起業の実践法は、大きく「マネジメント系」「クリエイティブ系」「コミュニケーション系」の3つに分けられる。特別なスキルは必要なく、社会人の基本的なスキルがあればすぐにでも始めることができる。
  • 要点
    3
    自分が応援したいという人と仕事でつながるためには、まず、その人のブログやメルマガに登録しておくことだ。とっかかりがない人は、まずクラウドソーシングサービスで何かやってみることから始めてもよい。

要約

「地味な起業」の考え方

「自分が主役」になる必要はない
Volodymyr Kotoshchuk/gettyimages

一般的に「起業」というと、個性的でキャラクターの濃い社長が、みんなを巻き込んで大きな事業を創りあげるという様子を想像する。この従来型の「起業」を、本書は「派手な起業」と呼ぶ。

一方で、本書が伝える「地味な起業」は、誰かを応援することで稼ぐ。押し出しの強さも、特別なスキルも必要ないので、始める敷居は低い。加えて、地味な起業はその後のキャリアの幅も広げてくれる。今いる会社で働きつつ、地味な起業を合わせてダブルワークをしてもいいし、地味な起業で得た人脈などを活かして派手な起業をしてもいい。

地味な起業には、すごいアイデアも資格も専門スキルも必要ない。「ウェブデザインができなくて困っている」「宛名書きを手伝ってほしい」というような、世の中に掃いて捨てるほどある、地味な困り事に着目するのが地味な起業である。1万円、2万円、3万円レベルの細かい仕事をコツコツ積み重ねて、実績をつくっていく。会社を設立するわけではなく、個人事業主として税務署に開業届を出しさえすればいいので、元手はゼロ円で始められる。

大切なのは巻き込む力ではなく、巻き込まれる力。いい意味で「受け身」でいればいるほど、いつのまにかいろいろなスキルが身につき、信頼されて大きな仕事をもらえる。

【必読ポイント!】 「地味な起業」をやってみよう

「地味な起業」の始め方

地味な起業は、人によってさまざまなやり方が可能だ。普通の会社員をしている人なら誰でもやったことがあるようなことから、一歩踏み込んだスキルが必要な方法まで、幅広くチャレンジできる。

著者は、わかりやすいように、実践法を「マネジメント系」「クリエイティブ系」「コミュニケーション系」の3つに分類している。この中の1つに取り組んでみるだけでも、すぐに「地味な起業」にチャレンジできるだろう。

マネジメント系
muchomor/gettyimages

1つ目の「マネジメント系」は、数字管理やコツコツした作業が得意な方向けである。人とお金の流れの管理をするため、定期的に数字を報告する仕事が中心となる。

セミナーを開催するときの参加者のリスト管理や、商品の購入者の入金管理などをする「Excelでの数値管理」は難易度が低く、別のいろいろな作業にもひもづきやすいサポートである。

難易度が高いものでは、GoogleやYahoo!などに広告出稿する「広告代行」などがある。しかしこれも「Google広告 出し方」などで検索すれば、とりあえず広告を出すことはできる。プロがやるようなレベルではなくとも、低価格でデジタルマーケティングを手伝ってくれる人は、事業をしている人にとってはありがたい存在である。それに、広告のスキルは、将来本当にやりたいことが見つかったときにも役に立つので、ぜひチャレンジしてみてほしい。

クリエイティブ系

2つ目の「クリエイティブ系」は、モノを作ることが得意な方におすすめだ。動画や画像、スライドなどの作成が主な仕事である。会社の会議資料を作成する感覚で仕事ができ、スキルアップに応じて単価も上がっていきやすい。

難易度が低いのは、チラシやホームページなどに掲載する用途の「画像作成」だ。高度なスキルがなくても、PowerPointやkeynote上で文字を入れて加工するレベルでできる仕事もある。

難易度が上がってくると「スマホ動画作成」や「WEBページ作成」などもある。ある程度のレベルの「なんちゃってホームページ」でも、2〜3万円で作成すれば依頼主には喜んでもらえるし、むしろ「なんちゃってホームページ」を求めている人も多い。どうしても専門的なサイトが求められる場合は、自分はディレクションという立場をとってデザイナーに依頼をする。これについても、クライアントはプロへの依頼の仕方がわからないことも多いので、お金を得ることができる。

また、起業家の代わりにブログやメルマガの文章を書く「ライティング代行」などは、難易度は高いが継続的な受注が可能な仕事である。

コミュニケーション系

人と話すことが得意な方におすすめしたいのが、

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要約公開日 2020.02.24
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