LINEやツイート、メールなど、誰でも毎日何かしら「書いて」はいる。しかし、改めて「文章を書こう」「発信しよう」と思うと、とたんに手が止まってしまうことはないだろうか。多くの人が「文章が書けない」と言うとき、足りないのはスキルだと思いがちだが、文章が書けない原因の多くはじつは「メンタル」にある。
多くの人は「自分の中から」文章を生み出そうとするが、この「生み出そう」というメンタルがそもそも間違っている。一部の才能ある作家は別として、普通の人の中には何もない。書くこと自体が目的になると、書こうとすればするほど書けなくなる。大切なのは、「書こう」とすることではなく「伝えよう」とすることだ。メールもLINEも、誰かに何かを伝えようとするから自然と「書ける」のである。
「文章をゼロから生み出す」のは難しくても、他人の文章を見て「ここ、『てにをは』が間違ってるよ」と指摘できるように、「すでにある文章を修正する」ことは容易だ。これを一人でできるようになり、著者と編集者の一人二役をやればいい。まずは「著者」として、下手でもいいから、伝えたいことをとにかく書きなぐる。そのあとに「編集者」の立場から、冷静になって文章を見直し、整えていく。こうすることで、ある程度の質の文章を一人で作成することができるようになる。
書けないと思っている人は、「書こう」とするのではなく、「伝えよう」という意識に変えることからスタートしよう。そして、「ゼロから生み出そう」とするのではなく「まず書いてみて、それを修正して文章を仕上げていく」と考えるだけで、書くことはずいぶんラクになるはずだ。
「書くことがない」と悩む人は、「自分のこと」を書こうとしているという共通点がある。書けないときに見つめるべきなのは自分の内側ではなく外側だ。自分の中に「何か」がなくても、他人のことやまわりのことについて発信することはできる。自らが「コンテンツメーカー」になろうとするのではなく、「メディア」として、「作家マインド」から「編集者マインド」に切り替えてみよう。編集者に必要なのは「誰かに伝えたい」という思いだけだ。人はみな自分の人生の「編集長」なのだから、自分が見つけたおもしろいことを自分のフィルターを通して伝えていってみよう。
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