書くのがしんどい

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書くのがしんどい
出版社
出版日
2020年08月11日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

ブログやSNSなどで、誰でも情報発信を手軽に行えるようになった。しかし、いざ自分もやってみようと思うと、とたんに「書けない」という状態におちいってしまったという経験はないだろうか。書くことが見つからない、書き続けられない、そんな悩みを持つ方にはぜひ本書をお勧めしたい。

本書では、書くことが「しんどい」理由を「書くことがない」「伝わらない」「読まれない」「つまらない」「続かない」の5つにわけて説明している。「書く」というと、長文を立派に書き上げてから、完全な状態で発表するというイメージがどこかにあるかもしれない。しかし、著者はもっと短い文章を、草稿の段階から共有していく、いまの時代に即した「軽やかな」書き方として提示している。「しんどい」理由それぞれにも具体的な対策が提示され、本書を読んでいると、書くことに対するハードルがどんどん下がっていくのを感じるだろう。

文章は誰でも書くことができるからこそ、改めて書く方法について学ぶ機会は少ない。しかし、走ることは誰にでもできたとしても、プロに教わればより速く走れるようになるのと同じように、プロの視点を知ることで書く力を改善することができるだろう。インターネットやSNSの普及により、テキストでのコミュニケーションの機会が増加しているいま、書く力はビジネスパーソンにとって大きな味方になるはずだ。本書を手に、書くことについて改めて向き合ってみてはいかがだろうか。

ライター画像
大賀祐樹

著者

竹村俊助(たけむら しゅんすけ)
編集者、株式会社WORDS代表取締役
1980年岐阜県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本実業出版社に入社。書店営業とPRを経験した後、中経出版で編集者としてのキャリアをスタート。その後、星海社、ダイヤモンド社を経て、2019年に株式会社WORDS代表取締役に就任。SNS時代の「伝わる文章」を探求している。主な編集・ライティング担当作は『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(水野学)、『ぼくらの仮説が世界をつくる』(佐渡島庸平、以上ダイヤモンド社)、『メモの魔力』(前田裕二)、『実験思考』(光本勇介、以上幻冬舎)など。手掛けた書籍は累計100万部以上。オンラインメディア「note」に投稿した「WORDSの文章教室」は累計150万PVを超える。
Twitter: @tshun423

本書の要点

  • 要点
    1
    人は日常的に書いているのに、書くということが目的になると途端に書けなくなってしまう。大事なのは「書こう」とするのではなく「伝えよう」とする意識だ。
  • 要点
    2
    文章は基本的に読まれないものだ。読んでもらうためには、読むことで得られることを明確に定義し、読者に読む動機を与えなければならない。
  • 要点
    3
    初対面でのコミュニケーションがリアルから文章に移行しているいま、書くことができる人は有利になる。書くための技術を身につけて、読む側から発信する側になろう。

要約

どうして書くのはしんどいのか

「書く」のではなく「伝える」
BrianAJackson/gettyimages

LINEやツイート、メールなど、誰でも毎日何かしら「書いて」はいる。しかし、改めて「文章を書こう」「発信しよう」と思うと、とたんに手が止まってしまうことはないだろうか。多くの人が「文章が書けない」と言うとき、足りないのはスキルだと思いがちだが、文章が書けない原因の多くはじつは「メンタル」にある。

多くの人は「自分の中から」文章を生み出そうとするが、この「生み出そう」というメンタルがそもそも間違っている。一部の才能ある作家は別として、普通の人の中には何もない。書くこと自体が目的になると、書こうとすればするほど書けなくなる。大切なのは、「書こう」とすることではなく「伝えよう」とすることだ。メールもLINEも、誰かに何かを伝えようとするから自然と「書ける」のである。

「文章をゼロから生み出す」のは難しくても、他人の文章を見て「ここ、『てにをは』が間違ってるよ」と指摘できるように、「すでにある文章を修正する」ことは容易だ。これを一人でできるようになり、著者と編集者の一人二役をやればいい。まずは「著者」として、下手でもいいから、伝えたいことをとにかく書きなぐる。そのあとに「編集者」の立場から、冷静になって文章を見直し、整えていく。こうすることで、ある程度の質の文章を一人で作成することができるようになる。

書けないと思っている人は、「書こう」とするのではなく、「伝えよう」という意識に変えることからスタートしよう。そして、「ゼロから生み出そう」とするのではなく「まず書いてみて、それを修正して文章を仕上げていく」と考えるだけで、書くことはずいぶんラクになるはずだ。

「取材」マインドでネタ探しをする
MissTuni/gettyimages

「書くことがない」と悩む人は、「自分のこと」を書こうとしているという共通点がある。書けないときに見つめるべきなのは自分の内側ではなく外側だ。自分の中に「何か」がなくても、他人のことやまわりのことについて発信することはできる。自らが「コンテンツメーカー」になろうとするのではなく、「メディア」として、「作家マインド」から「編集者マインド」に切り替えてみよう。編集者に必要なのは「誰かに伝えたい」という思いだけだ。人はみな自分の人生の「編集長」なのだから、自分が見つけたおもしろいことを自分のフィルターを通して伝えていってみよう。

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要約公開日 2020.10.30
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