ミスをしない人は記憶力に自信がなく、ミスをする人は記憶力に自信がある。
記憶力の悪い人は仕事でミスをしやすいというイメージを持っている人は多いだろう。実際はその逆だ。記憶力のいい人のほうが、正確に言えば自分の記憶力に自信がある人のほうがミスをしやすい。
仕事においては、複数の作業を同時に進めることが基本だ。上司から口頭で指示を受けたとしても、割り込みの仕事や緊急の問い合わせが入ったりすれば、うっかり忘れてしまうことがある。
だからこそ「ミスをしない人」は自分の記憶力を過信しない。指示を受けたらその場でメモをとって、決して忘れないようにする。「ミスをしない人」を目指すなら、まずはメモをとる習慣から始めてみよう。
ミスをしない人はダブルチェックを疑い、ミスをする人はダブルチェックして安心する。
ダブルチェックを行ったからといって、完全にミスをなくすことはできない。ある金融機関では、6人がかりでチェックしてもミスが起きたことがあるという。
なぜこのようなことが起きるのか。その理由は、ダブルチェックを習慣化した結果、本気でチェックしなくなったからだろう。また、チェックに時間をとられてしまい、他の仕事にかける時間が足りなくなって、ミスがくり返されている職場もある。
ある建設会社では、FAXの送信ミスにより、大型受注を逃しただけでなく、顧客からの信頼も失ってしまった。そこで、FAXを送信する際には1人が番号を読み上げ、もう1人が番号を押すというダブルチェックをルール化したが、ミスはなくならなかった。聞き間違えや言い間違えが発生したからだ。
そこでその会社では、同じ番号を二度押さなければ送信できないよう、システムを変更することにした。それから、この会社では送信ミスは起きていない。ダブルチェックにかかる時間も削減できた。
「ミスをしない人」は、「ダブルチェックさえすればミスが防げる」とは思っていない。ダブルチェックの方法に疑いの目を向け、より効果的な方法を模索している。
ダブルチェックのやり方を見直すうえで役に立つのが、「改善の8法則」だ。
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