やる気ゼロからフローに入る  超・集中ハック

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やる気ゼロからフローに入る  超・集中ハック
出版社
明日香出版社

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出版日
2023年06月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

私たちがいま生きている時代は、「アテンションエコノミー」と呼ばれ、消費者の注意力が経済的価値を持っている。世界中の優秀な頭脳が生み出したインターネットサービスのなかで、可処分時間の奪い合いが行われている。溢れる情報を取捨選択し、数多の誘惑に勝ち、何かに「集中」することは容易ではない。

本書では、集中力を高めるための47のハックを紹介している。集中力がない自覚のある要約者は、本書を読了後約2週間、10個目のハック「何かに気が散るなら紙に書き出す」を実践してみた。紙に書かれた煩悩リストを見ていかに集中力がないかを痛感しながら、「他のことに取り組みそうになったら紙に書き出し、まずは目の前のタスクを終わらせる」ことに注力していくうちに、シングルタスクを徹底する習慣が身についてきたことを実感している。

「会議に参加中、メールを返信しながら、カレンダーで次の予定を確認する」「試験勉強をしないといけないのに、数分後には手元にあるスマホをいじっている」。学生、社会人を問わず、そんな経験がある人はぜひ本書を手に取り、47のハックのうちどれかを試してほしい。「集中している」とはどういう状態か、実体験のなかで少しずつわかってくるだろう。すべてを試すのではなく、自分ができそうなものや必要なものに絞って「集中的に」実践するのもいいだろう。

著者

伊庭正康(いば まさやす)
1991年リクルートグループ入社。法人営業職として従事。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞。累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。
2011年、研修会社 (株) らしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演)を行っている。実践的なプログラムが好評で、リピート率は9割を超え、その活動は『日本経済新聞』『日経ビジネス』『The21』など多数のメディアで紹介されている。Webラーニング「Udemy」でも営業スキル、リーダーシップ、時間管理などの講座を提供し、ベストセラーコンテンツとなっている。
『できるリーダーは、「これ」しかやらない』『できる営業は、「これ」しかやらない』(ともにPHP研究所)『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方』(ともに日本実業出版社)など、著書は30冊以上。
※無料メールセミナー(全8回):「らしさラボ無料メールセミナー」
YouTube:「研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル」
Voicy:「1日5分スキルUPラジオ」も好評。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間の脳の構造を考慮すると、マルチタスクには向いていない。マルチタスクだと思っている行為はタスクスイッチングであり、タスクスイッチングはミスを誘発する。
  • 要点
    2
    ほんの一瞬別のタスクに気を取られると、集中力を取り戻すまでに23分かかる。シングルタスクを徹底しよう。
  • 要点
    3
    コーヒーは集中力を高める。カフェインだけでなく、香りも集中力を高める要素の1つだ。

要約

集中力の事実

集中力は20分しか持たない

「予想以上に作業に時間がかかる」「時間をかけたのにミスをする」といった問題は、集中力が不足しているからではない。一度に1つの事柄に対して約20分しか集中できないという人間の脳の特性が影響しているのだ。

東京大学の池谷裕二教授の研究によれば、60分間一気に学習するよりも、15分学習後に5分の休憩を挟む方が結果としてパフォーマンスが良くなるという。人間の脳は20分後に集中力が低下し、40分後には大幅に低下するというデータもある。

集中力を維持するためには、適時に休憩を取る必要がある。ちょっとしたストレッチや目を閉じるだけでも効果がある。「まだ大丈夫」と思いながら、作業を続けることは避けるのが賢明だ。

人間はマルチタスクができない
AndreyPopov/gettyimages

集中力を語るうえで押さえておきたいのが、「人間は一度に複数のことを同時にできない」ということだ。ウェスタン・ワシントン大学で行われた実験がその事実を示している。

この実験では、350人の学生がいる広場に一輪車に乗った派手なピエロが現れ、何人の学生がその存在に気づくかを調査した。調査の結果、普通に歩いていた学生全員がピエロに気付いたのに対し、携帯電話で話をしていた学生のうち気付いたのはわずか8%であった。携帯電話で会話をしているだけでも、これほどまでに注意力が散漫になるという事実は驚きだ。

マルチタスクこそが効率を高める近道だと言う識者もいるが、それは誤解だ。マルチタスクではなく、「タスクスイッチング」(作業の切り替え)を行っているだけである。

人間の脳は、原則として一度に1つのタスクのみを処理する構造になっている。例えば、会議中にひそかにメールを返信していたとしよう。これは実際には「会議」というタスクから「メール返信」というタスクへと切り替えているだけである。しかも、この切り替えによって、本来の主タスクであった会議への集中力が分散し、メール返信の内容に誤りが混入する可能性が高まる。

これは、脳がタスクを迅速に切り替える能力に限界があるためだ。作業は一見進んでいるように見えるかもしれないが、時間の使い方としては適切ではない。

マルチタスクはストレスになる

マルチタスクによって人間は、ミスを犯す確率が上がり、得た情報を活用する能力が低下する。

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要約公開日 2023.09.25
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