「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣

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出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2023年06月11日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

目標はどんどん上がっていくし、仕事は増える一方なのに、残業は許されないため、短い時間で大きな成果を上げる必要がある。だが、目の前のタスクに忙殺され、改善案を考える時間もない――。それが、現代のビジネスパーソンのリアルな姿ではないだろうか。

本書は、そんな悩めるビジネスパーソンを救ってくれる一冊だ。著者はベストセラー『トヨタの会議は30分』の著者、山本大平氏である。京都大学大学院を修了後、トヨタ自動車、TBS、アクセンチュアでキャリアを積んだ後、経営コンサルティング会社を設立し、戦略コンサルタントとして活躍している。本書には、山本氏がこれまで組織で働いたり、会社を経営したりしてきた中で培った「仕事を『短くやる』習慣」がたっぷり詰まっている。

山本氏は本書の「はじめに」で、仕事を「短くやる」ための5つの原則を挙げている。優先順位を明確にする、余計なことをしない、先延ばしをしない、人に任せられるものを抱え込まない、タイミングを間違えない、だ。耳が痛くなってくる人も多いのではないだろうか。

本書では5つの原則をベースに、具体的なノウハウが42個紹介される。原則のうち、最もドキッとした、自分が苦手なものを選んで、まずはそれに紐づいたノウハウをチェック・実践することをおすすめしたい。あっという間に効果が出て、別のものも試してみたいと思えるはずだ。

著者

山本大平(やまもと だいへい)
戦略コンサルタント/事業プロデューサー
1978年大阪府生まれ。2004年に京都大学大学院エネルギー科学研究科を修了後、トヨタ自動車に入社し新型車の開発業務に携わる。トヨタグループのデータサイエンスの大会で優勝経験を持つほか、副社長表彰・常務役員表彰を受賞する。
その後、TBSへ転職。「日曜劇場」「レコード大賞」「SASUKE」など、主に看板番組のプロモーション及びマーケティング戦略を数多く手掛ける。さらにアクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を積み、2018年に経営コンサルティング会社F6 Design株式会社を設立し代表取締役に就任。新規事業のプロデュース、ブランディング、AIを駆使したマーケティングや組織改革を得意としている。
著書にベストセラー『トヨタの会議は30分』(すばる舎)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    タスクに着手する前に、タスクの全体像をイメージし、仕事を進める順序や想定されるトラブルなどを把握しよう。遠まわりややり直しを防げて、仕事がスピーディーになる。
  • 要点
    2
    すべてのタスクで満点を取る必要はない。まずは70点を目指そう。時間的な余裕や余力があれば、70点を80点へ、さらには90点へとブラッシュアップすればいい。
  • 要点
    3
    仕事が遅くなる原因の一つは、自分ひとりで仕事を抱え込んでしまうことだ。そのタスクに最も精通している人の意見を参考にして、仕事のスピードと質を上げよう。

要約

「最短ルート」でタスクを進める

まず、状況・情報を分析する

仕事で効率よく成果を出すためには、「PDCAサイクル」ではなく「C・PDCAサイクル」を回すのが正解だ。

先頭の「C」(状況・情報の分析)は、計画を立てる前にさまざまなアングルからタスクを検討し、最低限の状況や情報をチェックするという意味である。仕事を始める前に「戦略」(方向性)と「戦術」(手段)をしっかり練っておけば、「D」の途中で迷ったり、進むべき道を見失ったりする可能性を減らせる。一方、最初の「C」を疎かにすると、やり直しになってしまいかねない。

大事なポイントは、動き出す前に「この仕事はどのような展開になるのか?」「どうすれば最短のルートを通り、誰よりも早くゴールインできるか?」という観点からタスクの全体像をイメージすることだ。高い視点から全体の構造を見渡し、仕事を進める順序や想定されるトラブルなどを把握する。この作業を疎かにし、遠回りして工程が増えてしまうことこそ、仕事が遅くなる一番の原因なのだ。

ゴールまでのルートを俯瞰し、逆算する
PeopleImages/gettyimages

といっても、考えているだけでは手に入らないデータや情報もたくさんある。担当先の要望やニーズ、考え方などがその一例だ。具体的なプランを立てる前にまず行動して情報収集しないと、結局時間を無駄にすることになる。

データや情報を集めて現状を把握できたら、そのタスクを達成するための具体的なルートを考える。ここで大事なのは、直感や思いつきでルートを決めないことだ。ゴール地点から逆算して「関所」を設定し、関所を一つずつクリアしていくと、結果的に最短ルートを進んでいける。

例えば、小学生の子供を持つ親が「子供を医者にしたい」と考えたとする。「医者になる」というゴールがあるとき、関所となるのは、大学の医学部に入学し、医師の国家試験に合格することだ。

こうして関所を設定すると、そこに到達するために通過すべき関所と合わせて、取り組むべき課題が明らかになる。「今の学力で、希望する中学に合格できるのか?」「中学受験のための学習塾に通わせる必要はないか?」「そもそも現在の資産状況で教育費は大丈夫なのか?」「何か資産運用を始める必要はないか?」などといった具合だ。子供を医者にするというゴールに向かうためには、こうした課題を着実にクリアしていく必要があるだろう。

ゴールに到達するためのルートを逆算して考えることで、明確な関所を設定でき、最短ルートで進んでいける。

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要約公開日 2023.07.24
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