既存の体制の中で賢く立ち振る舞うか、それとも体制を改善するために立ち上がるか。本書はどちらかと言うと前者の立場で書かれている。アホと戦っても何も生まれないし、精神を消耗するだけだからだ。
もしあなたがすべてを持ち合わせているスーパーヒーローのような人物であれば、ぜひアホと戦ってほしい。だが、多くの人はそうではないのだから、自分の人生の目標を達成することを最優先にするべきだ。敵をつくらず味方を増やし、アホも巻き込んで、人生の目標を達成する、戦わずに戦うという道を戦略的に選ぶのだ。
アホは「いい人」や「弱い人」をいじめたがる。相手の怒りやくやしさ、悲しさが見えるとますます調子に乗るため、全くこたえていない様子を見せることが最高の攻撃となる。スルーを決め込み、「いたぶりがいがない」と思わせるのがベストな対応だ。
そのためにも、自分の目的に集中しつつ、アホに対してもリスペクトを持って、楽しく、親切にし続けよう。淡々とした態度を貫けば、アホは攻撃をやめるだろう。
余計なことを言わないようにして、つけ入る隙を与えないのも有効だ。言い換えれば、感じよく沈黙に耐えること。常に何食わぬ顔をし、余計なことは言わない人ほど恐ろしいものはない。逆に、ギャンギャン吠える人は小物だと心得よう。
3,400冊以上の要約が楽しめる