信用2.0
信用2.0
自分と世界を変える「最重要資産」
信用2.0
出版社
朝日新聞出版

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出版日
2023年04月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

テクノロジーがどんどん進化し、わたしたちを取り巻くビジネス環境が変化する中、「信用」のあり方もまた大きく変わろうとしている。タイトルにある「信用2.0」は、新しい信用を意味する概念だ。「信用1.0」が形のある資産、つまり勤務先や学歴、資格などによって得られる信用であるのに対して、「信用2.0」は形のない資産、すなわち人間性や知識、経験などによって創出される信用である。

本書の著者は堀江貴文氏だ。起業にはじまり、野球球団やニッポン放送の買収、衆議院選出馬などで注目を浴びたのち、近年は宇宙ロケットの開発、スマホアプリや飲食店のプロデュースなど、幅広い事業を手掛ける。メールマガジンの購読者数は1万人以上にのぼり、YouTube総視聴数は5億回を超えるそうだ。

堀江氏は本書の冒頭で次のように語っている。「生きていくうえで、いちばん大切にすべきものは何か? そう聞かれたら、ぼくは迷わず『信用』と答える」。そして、信用をアップデートできない人は、さまざまなチャンスを逃してしまうと指摘する。

堀江氏には逮捕歴があるし、SNSで炎上することもある。それでも長きにわたって支持され続けているのは、信用があるからにほかならない。「信用資産」を着実に蓄積することで、まわりの人から信用され、支持されるだけでなく、力を貸してもらえて、大きな挑戦ができるのだ。もしあなたが自分らしく生きていきたかったり、より大きな成果を出したかったりするなら、「信用2.0」の考え方はきっと役に立つだろう。

ライター画像
小林悠樹

著者

堀江貴文 (ほりえ たかふみ)
1972年福岡県生まれ。実業家。SNS media & consulting株式会社ファウンダー。インターステラテクノロジズ株式会社ファウンダー。
東京大学在学中の1996年にインターネット関連のオン・ザ・エッヂ(現ライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。大阪近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙立候補など既得権益と戦う姿勢で注目を浴び、「ホリエモン」の愛称で一躍時代の寵児となる。2006年、証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕され、懲役2年6カ月の実刑判決。獄中からもメールマガジンなどで情報発信を続け、2013年に釈放。
その後、民間では日本初の宇宙空間到達に成功した宇宙ロケット開発、スマホアプリや飲食業のプロデュース、予防医療の普及、ニュース解説など、多数の事業や投資、多分野で活躍中。メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は購読者1万人以上、会員制コミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」でも優秀な人材を輩出し続けている。
著書に『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『本音で生きる』(SB新書)、『多動力』(幻冬舎)など。Twitter(@takapon_jp)フォロワー数は357万人、YouTubeチャンネル登録者数は160万人、総視聴数は5億回を超える。
ホリエモンドットコム http://horiemon.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    信用がない人のところにはお金も人もチャンスもやってこないが、信用がある人は、一人では成し遂げられないようなことも実現できる。人生において貪欲に追い求めるべきは「金融資産」ではなく「信用資産」だ。
  • 要点
    2
    信用2.0は「無形資産」に重きを置く考え方である。現代においては、肩書きや所有物の価値が下がりつつある一方、人間性や経験が信用を集めるようになっている。
  • 要点
    3
    個人の「無形資産」の豊かさが信用につながる現代では、本当に大切なのは「自分時間=人生」を充実させることだ。「自分時間」を大切にしない人は信用を得られない。

要約

【必読ポイント!】 「信用2.0」時代の到来

「金融資産」より「信用資産」

人生で最も大切にすべきものは「信用」だ。信用がない人のところにはお金も人もチャンスもやってこない一方、信用がある人は、いろいろな人から力を貸してもらえて、一人では成し遂げられないようなことも実現できる。成し遂げたい目標があるなら、より早く、より多くの信用を手に入れるのが近道だ。

お金はたくさんあればいいというものではない。お金があるからといって幸せになれるとは限らないし、トラブルを生むこともある。

一方で、信用はどれだけ増えても困らない。信用を集めれば集めるほど、物事は思い通りに進む。お金や知識が足りなくても、信用があればなんとかなると言っても過言ではない。

だから人生において蓄積を目指すべきは「金融資産」ではなく「信用資産」だ。他者からポジティブな評価を獲得し、「あの人なら間違いない」と思ってもらえる人になれるよう、努力を重ねよう。

短期的な損得にとらわれるな
Olivier Le Moal/gettyimages

「信用資産」の考え方は、決算書にたとえると理解しやすくなる。「損益計算書」と「貸借対照表」を比較しながら見ていこう。

損益計算書は、一定の期間にどれだけお金が入ってきて(売上)、どれだけ出ていき(費用)、最終的にどれだけ手元に残ったのか/残らなかったのかをリストアップしたものだ。家計簿のようなものをイメージすればいい。

貸借対照表は、企業の資産状況をひと目で把握できるようにしたものである。左側には企業が持っている「資産」が、右側には「負債」がリストアップされている。「資産」の欄には、現金だけではなく、土地、建物、機械設備なども記載される。

信用資産の考え方を正しく理解するうえでは、「貸借対照表」的な発想が大事だ。短期的な損得だけでなく、広い意味での「資産」がどれだけ増えるかという視点が欠かせない。

たとえば、仕事である人物とのコラボレーションを進めているとしよう。ところが途中で、その人物に大きな問題が見つかったとする。ここでプロジェクトを打ち切れば、それまで投じてきたお金や時間が無駄になるだけでなく、あなたに悪評が立つ恐れがある。

こんなとき、無理やりプロジェクトを進めようとする人もいるだろう。だがそういう人は「損益計画書」的な発想に陥っている。短期的な損得しか見ておらず、自分が将来的に失うものが見えていないのだ。自分の信用を第一に考えるなら、そんなコラボはいち早く解消すべきだろう。短期的な損得にとらわれて、長期的な資産を考えない人は、いつまでたっても信用されない。

「目に見えない資産」を貯める

いったいどんな信用資産を増やせばいいのか。

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要約公開日 2023.08.21
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.Copyright © 2023 堀江貴文 All Rights Reserved. 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権は堀江貴文、株式会社フライヤーに帰属し、事前に堀江貴文、株式会社フライヤーへの書面による承諾を得ることなく本資料の活用、およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
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