一夜漬けはもっとも脳に優しくない勉強法だ。
神経科学者ハドレー・バーグストロムは、「1日に少しずつ進めて、できるだけ学習量を分散する」という勉強法をすすめている。これにより、脳の細胞の働きが改善されることがわかっているからだ。
もう1つ大切なのは、十分な睡眠を取ることだ。2013年、米国国立衛生研究所のチームは、睡眠中の脳は、重要でない情報を消去し、忘れてしまった情報の再学習を促していることを発見した。私たちは、たっぷり睡眠をとることで、次の学習の準備をととのえられるのだ。
脳にもっとも優しい勉強法とは、「1日に少しずつ進めて、できるだけ学習量を分散する」と「十分な睡眠を取る」、つまり一夜漬けとは真逆の勉強法なのである。
長時間にわたって勉強するには、時間を忘れて勉強に没頭する「本気モード」に早く移行することが重要だ。その第1歩となるのが、毎日の「勉強開始時刻」を決めることである。実際、ビクトリア大学の研究(2015年)によると、「毎朝6時には定期的に運動する」「夕食後は運動する」などと運動を開始するタイミングを決めていた人は、見事に運動習慣が定着していた。
今まで学習から離れていた方は、まとまった時間、机に向かうのも大変だろう。まずは1日(1440分)の1%である15分間、いつも同じ時刻から勉強するクセをつけよう。やがて習慣が定着し、長い時間、机に向かえるようになるはずだ。
「毎日の学習量には波があるから、とりあえず大きな期間でざっくり学習目安を立てましょう」と指導されたことがある人もいるかもしれない。だが、学習量の目安は「大きな期間でざっくり」ではなく「毎日しっかりと」立てておいたほうがいい。
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