プレゼン思考

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出版社
かんき出版

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出版日
2021年06月21日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

要約者は先日、重要なプレゼンを経験した。準備と壁打ちを重ね、何百枚もスライドをつくり、磨きに磨いたメッセージを情熱的に、かつ淀みなく伝えた。

プレゼンは成功したと言っていいだろう。だが、具体的な課題提起やその解決策に対する共感や納得は得られなかったようだ。その原因を考えても、答えらしいものは見当たらない。

そんなタイミングで本書を拝読する機会を得た。著者は『伝わっているか?』や『すごいメモ。』で知られるクリエイティブ・ディレクター/コピーライターの小西利行氏だ。小西氏によると、プレゼンには「課題→未来→実現案」という「必勝方程式」があるという。「いまはこうですが(課題)、将来はこうなりましょう(未来)。この方法なら実現できます(実現案)」という流れにすれば、プレゼンの論旨がクリアになり、理解しやすいものになるそうだ。この方程式をベースに「究極の9項目」で説得力を高めつつ、「共感タグ」を盛り込んで相手の心を動かすのが、本書のメソッドの特徴である。心を動かせば、相手を動かすことができるのだという。

要約者は本書をじっくり拝読し、つい「あとちょっと早く知っていたら」と思ってしまった。あなたも「自分のプレゼンは聞き手にとって理解しやすいものだろうか」「これまでのプレゼンで相手の心を動かすことができただろうか」と胸に手を当てて考えてみてほしい。答えが「NO」なら、すぐに本書を開いてみよう。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

小西利行(こにし としゆき)
POOL INC. FOUNDER/株式会社GOOD EAT COMPANY CXO/クリエイティブ・ディレクター/コピーライター。
博報堂を経て、2006年POOL INC.設立。CM制作、商品開発から、街づくりや国の戦略構築も行う。
「伊右衛門」「ザ・プレミアム・モルツ」「PlayStation」「モノより思い出。」などヒット作多数。2017年に「プレミアムフライデー」を発案。2019年には京都のホテル「THE THOUSAND KYOTO」「GOOD NATURE STATION」、2020年立川「GREEN SPRINGS」をプロデュース。2021年には「GOOD EAT COMPANY」にてブランディング&クリエイティブディレクションを担当。同社CXOにも就任。2021年開催予定のドバイ万博日本館のCREATIVE ADVISERも担当している。
著書に、『伝わっているか?』(宣伝会議)、『すごいメモ。』(かんき出版)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    プレゼンの必勝方程式は「課題→未来→実現案」だ。プレゼンをこの流れにするだけで、論旨がはっきりし、聞き手が理解しやすくなるだけでなく、プレゼンターは提案内容を考えやすくなる。
  • 要点
    2
    心が動かなければ人は動かない。相手の心を動かすには「驚き」「共感」「共有」の3要素が必要だ。
  • 要点
    3
    ユーザーの「人生」のそばにある不満とニーズに着目することが、売れるビジネスを生み出す鍵だ。商品やサービスを使う人々の立場に立ち、その人生をとことん想像しよう。

要約

プレゼンの「型」を押さえる

プレゼンは「課題→未来→実現案」で構成する
かんき出版提供

プレゼンの正しい「姿」は「目的達成に向けて、やるべきことを考え、相手にその思いを届け、共感を生み、ともに行動するきっかけになること」だ。行動のきっかけとなるプレゼンには、必勝方程式とも言うべき「型」がある。それは「課題→未来→実現案」だ。まず課題(タスク)を整理し、ゴールとしての未来(ビジョン)を描き、最後にその未来を実現するための実現案(コンセプト+プラン)を提案する。

実際のプレゼンでは、必勝方程式にのっとって「いまはこうですが(課題)、将来はこうなりましょう(未来)。この方法なら実現できます(実現案)」と伝えればよい。この形にするだけで、プレゼンの論旨がはっきりし、聞き手が理解しやすくなるだけでなく、プレゼンターは提案内容を考えやすくなる。

論理展開をチェックする

聞き手が納得できるプレゼンをするためにもっとも大切なのは「ロジック(論理展開)のシンプルさ」だ。論旨が明解で、論理展開がクリアで、欲しい情報が次々に提示され、提案のポイントがクリアに記憶される……そんなシンプルなプレゼンは理解しやすく、深く共感され、長く記憶される。

プレゼンをよりシンプルなものにするには「矢印チェック」が有効だ。プレゼンの内容を矢印でつなげて、論理がつながるかどうかを確認する。もし矢印ではつながらない箇所が出てきたら、ロジックが破綻している証拠だ。そのギャップを埋めるために、アイデアを付加したり、ロジックをつなぐためのページをつくったりすればいい。何度かチェックを繰り返せば、クリアなプレゼンへと近付くはずだ。

「究極の9項目」で説得力を高める
かんき出版提供

プレゼンの説得力を高めたいなら「究極の9項目」を押さえればいい。この9項目は、必勝方程式の「課題→未来→実現案」を細分化したものだ。「課題」「未来」「実現案」の3つのパートに分けて説明する。

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要約公開日 2023.07.26
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