「プロジェクト」とは、独自の目的・目標を設定し、それを期限までに達成させる一連の活動である。ここで大事な要素は「独自の目的・目標」と「期限」である。「これまでに経験したことのない要素」が含まれた目的や目標と、「開始日・終了日」が明確に示す期限がある活動や仕事が、プロジェクトと位置付けられる。
企業や組織の活動には「プロジェクト」と「定常・継続業務」の2つがある。プロジェクトは1度きりの仕事であるのに対し、定常・継続業務はルーティンワーク、いわゆる繰り返し・反復の仕事である。企業や組織はこの2つの活動を行うことで、世の中に価値を提供している。
「プロジェクトマネジメント」とは、独自の目的・目標を期限までに達成させるために「やりくり」する手法である。プロジェクトの遂行には、目的や目標を期限内にどう達成するのか、どんな技術を使ってどのような体制で行うのかなど幅広い範囲をカバーしなければならない。不確実性のある中で目的・目標を達成するためには、マネジメントに必要な知識や技術を学ぶ必要がある。
プロジェクトマネジメントで使われる知識と技術は、「プロセスグループ」を横軸に、「サブジェクトグループ」を縦軸にしたマトリックスで表すことができる。プロセスグループは「立ち上げ」「計画」「実行」「コントロール」「終結」の5つのプロセスであり、プロジェクトの流れを示している。一方、横軸のサブジェクトグループは「統合」「ステークホルダー」「資源」「タイム」「コスト」「品質」などの知識や技術であり、マトリックスではどのプロセスでどの知識と技術を用いるかを記載する。
プロジェクトマネジメントには「目標設定」「計画」「実行」の3つの視点が重要だ。次の章からはそれらを順番に説明していく。
プロジェクトの立ち上げは、目標設定からスタートする。最初に目的・目標が明確にイメージできればより具体的に計画できるし、活動も進めやすくなる。そのためには、「ゴールから考える」ことが大切だ。
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