どんなにテクノロジーが発達しても、「マネジメント」への関心が衰えることはない。だが、「マネジメント」という言葉が何を指すのかは曖昧だ。マネジメントの本家というべきドラッカーも、この言葉は難しい言葉だと述べ、場面によって言葉のニュアンスを変えて使っていた。本書でも、「マネジメント」という言葉を無理に絞り込まず、「組織の成果を上げるための手法、仕組み、行動、およびその行動主体」と広い定義を採用する。
本書の記述では組織の代表として「会社」を前提とし、次の5つの視点から検討を行う。
(1)チームリーダーの視点
(2)ミドルマネジャーの視点
(3)プロジェクトリーダーの視点
(4)経営スタッフの視点
(5)経営者の視点
要約では、2つの視点の要点をまとめる。
本書における「チーム」は部や課より小さな単位の組織(4〜5人程度)を想定している。チームリーダーは、もっとも現場に近い担当メンバーに直接接しながら、チームという組織をマネジメントする。
チーム発足後にチームリーダーにまず求められるのは、チームを動かす骨組みをつくることだ。そのためにはまず、「目的意識の明確化」をする必要がある。柔軟性やスピードが重視される仕事の場合にはとくに、向かうべき方向性を最初の段階からチーム全員で共有しておくことはとても重要だ。目標が共有されてこそ、細かいアクションや個人の判断が、全体として整合のとれるものとなる。
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