現代は不確実な時代だと言われる。確かに予想外のことが次々に起こる時代であるとは思うものの、これを不確実性とは呼べない。不確実な現象はすべて、他ならぬ私たちが生み出したものだと思うからだ。人間が不確実な考えを持ち、不確実な行動をするからこそ、不確実な現象が起こるのだろう。
不確実な考えや行動をやめたら、そこから生み出せる現象は確実なものになる。その自覚を持って仕事をしたいものだ。このように未来に対処する基本的姿勢を変えることは、私たちの緊急重要事である。
どんなに才能や知識がある人でも、熱意がなければ何もやり遂げられない。逆に、少しくらい才能や知識が欠けていても、熱意を持って物事に取り組めばいろいろなものを生み出せる。たとえその人自身が成果を出せなくても、一生懸命に取り組む姿を見て援助したり加勢したりする人が出てくるものだからだ。そうした応援が才能や知識の乏しさを補って、仕事を進行させる。
熱心な人は磁石のように周囲をひきつけ、物事を動かしていくのだ。
人間の心は理屈では割り切れないもので、理論とは逆の方向に動くこともある。だがそれでも、やはりある種の方向というか、法則のようなものも存在する。それをある程度体得するのが、人情の機微を知るということなのだろう。
では、人情の機微を知るにはどうしたらいいか。やはり、いろいろな体験を通じて、多くの人びととふれあうべきだろう。そうした体験を重ねながら、常に素直な目で人間を見て、その心の動きを知ることが大切だ。
日々の生活において、自分をよく見せようとしてお世辞を言ったり、言動を取り繕ったりすることは慎みたいと思っている。
いくら必死に飾り立てても、自分の生地をごまかすことはできず、必ずはげてくるものだ。そして、本当の姿が明らかになると、あっという間に信用が失墜する。常に正直でいることが処世の一番安全な道ではないだろうか。
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