[新装版]成功への情熱

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[新装版]成功への情熱
出版社
出版日
2007年12月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

経営者の評価は難しい。新たな事業を興し、拡大させることに成功して称賛を浴びる経営者は数多く存在するが、そのすべてが優れた経営者であるとは言い切れない。

しかし本書の著者・稲盛和夫氏は、誰もが優れた経営者と認める人物である。京セラを立ち上げ世界的メーカーにまで押し上げただけではなく、通信事業の自由化政策に即応し、それまで電電公社(現NTT)が独占していた市場に参入し、現在のKDDIを創業した。さらに2010年には会社更生法を申請し、事実上倒産した日本航空(JAL)の会長となり、赤字体質を脱却させ再上場へと導いた。

また、多くの経営者の指導にあたったことに加え、私財を投じて設立した稲盛財団では若き科学研究者たちの育成を支援。数ある名経営者の中でも、ここまで社会的なインパクトを与えた人物はそうそういない。

本書は、その稲盛氏が大切にしてきた人生哲学が詰まった一冊であり、「人生」と「ビジネス」を成功に導くための105の訓言が記されている。稲盛氏は「哲学を持つことでより素晴らしい人生を歩めるようになる」と述べ、人生において哲学を持つことの大切さを繰り返し説いている。また、ビジネスの成功には「情熱(PASSION)」が必要であり、それを支える7箇条についても具体例を交えて紹介している。

人生もビジネスも一筋縄にはいかない。その難事に挑もうとする者にとって、本書は心の支えになるのではないだろうか。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

稲盛和夫(いなもり かずお)
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長。また84年には第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。10年、日本航空会長に就任。15年より名誉顧問。一方、1984年には稲盛財団を設立すると同時に「京都賞」を創設。「盛和塾」の塾長として、経営者の育成に心血を注いだ。2022年、90歳で逝去。主な著書に、『[新装版]心を高める、経営を伸ばす』(PHP研究所)、『生き方』(サンマーク出版)、『働き方』(三笠書房)、『考え方』(大和書房)、『稲盛和夫 一日一言』(致知出版社)、『経営12カ条』(日経BP)などがある。
稲盛和夫オフィシャルホームページ
https://www.kyocera.co.jp/inamori/

本書の要点

  • 要点
    1
    成功の方程式とは、「人生の結果=考え方×熱意×能力」だ。飛び抜けた才能がなくても、誰よりも情熱を燃やして一生懸命努力する人は、大きなことを成し遂げることができる。
  • 要点
    2
    自らの内にある「フィロソフィ」こそが、私たちを正しい意思決定へと導いてくれる。
  • 要点
    3
    ビジネスの成功には「情熱」が必要だ。それを支える7箇条は「利益」「願望」「誠実さ」「真の強さ」「創意工夫」「積極思考」「決してあきらめない」である。
  • 要点
    4
    夢を叶えるには、より強い願望を持たなければならない。創意工夫と努力をして、目的に到達するまで決してあきらめないことが大事である。

要約

人生で成功するには

人生は自分自身が主役のドラマ

人生とは自分自身が主役を演じるドラマである。どのようなドラマを描くかは自分次第。運命は生まれた時から決まっているのではなく、自分の心や考え方を高めていくことで変えることもできるのだ。

自分が演じたいドラマの脚本を書くには、少しでも早い時期から心と精神を鍛える必要がある。人生というドラマにおいて、自分を主役にして脚本を書いた人と目的意識がなく惰性で生きた人とでは、大きな違いができるからだ。

「安易な」生き方は、はじめは気楽で楽しいかもしれない。しかし結局それでは満足できず、より高いレベルの目的を求めるようになるだろう。

時代が変わっても人間の本質は変わらない。誰もが人生で善きことを追求し、価値あるものを後世に残すことを望んでいるはずだ。

しかし努力が伴わなければ、いくら大きいビジョンでも単なる夢で終わってしまう。目標の達成には継続的な努力が欠かせない。人生の旅路は自分の足で一歩ずつ歩んでいくものである。

人生を成功に導く方程式
Sushiman/gettyimages

普通の人間が大きな成功をなし得る秘訣は、「人生の結果=考え方×熱意×能力」の方程式で表すことができる。

「能力」とは肉体や才能や適性など、持って生まれたものである。一方「熱意」とは、「どうしてもこうありたい」という強い思いで、自分自身が決められる。「能力」と「熱意」はそれぞれ0点から100点までの値をとり、この2つの要素を掛け合わせた数字が仕事の成果となる。つまり、飛び抜けた才能がなくとも、それを補うために誰よりも一生懸命努力する人は、大きなことを成し遂げられるということだ。

また「考え方」は、マイナス100点から100点までの幅がある。嫉妬、恨み、憎しみなどの否定的な感情に囚われると、人生もまたマイナスとなる。逆に素直で前向きな考え方を持つと、素晴らしい人生を送ることができるだろう。

このように、人生の結果は自分の手に委ねられている。「考え方」によって、仕事や人生は大きく影響されるのだ。

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要約公開日 2023.07.27
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