平日を「出勤日」、週末を「出勤しない日」だと捉えている人は多い。そんな人たちが平日にすることといえば「仕事」と「仕事をしない週末を待つこと」だけだ。
平日の24時間のうち、会社に滞在する時間は9時間ちょっと。睡眠を7時間とり、通勤にかかる時間を除いたとしても、毎日5~6時間は働いていない時間があるのではないだろうか。これは、ただ週末を待ちながら過ごすにはもったいない時間だ。
著者はこの、帰宅後の時間に目を向けた。帰宅後に自分が好きなことをしてみると、ますます疲れるどころか、むしろエネルギーに満ちていく感覚があった。好きなことに時間を使い、昨日より成長することは、自分をずっと輝かせてくれるのだ。
著者が定義する「後悔しない人生」は「やりたいことを、存分にやって生きる人生」だ。だからといって、会社をやめて、やりたいことだけをするわけにもいかない。そこで「帰宅後の時間」を有効活用することにしたのだった。
動物病院の勤務医として働く著者は、自分の仕事を愛しているし、プライベートの時間に仕事の勉強をすることもある。だがそれでも、帰宅後の時間をすべて仕事のために使うことはしない。人生の目標が他にあるからだ。あなたも「いつ退勤しようか?」ではなく「退勤して帰宅後、何をしようか?」と考えてみてはどうだろう。
わたしたちの老後には長い低所得期間が待ち構えており、リストラなどで退職が早まる可能性さえある。
では、どうすれば長い低所得期間を乗り切れるのか。現役時代にコツコツ貯金しておくよりももっといい案は、一生働いて収入を得られる、自分だけのキャリアを作ることだ。
キャリア作りのためには、帰宅後の時間を使ったサイドプロジェクト(副業)が役立つだろう。定収入がある今なら、サイドプロジェクトですぐにまとまった金額を稼げなくてもかまわない。少しずつでも自分の好きなことに挑戦してみると、それが老後の自分を養ってくれるかもしれない。
退職して時間ができれば、したいことをして幸せになれる――。そう勘違いしている人は多いものだ。
考えてみてほしい。あなたの「したいこと」は、退職しなければ挑戦できないことだろうか。ただ「仕事があるから」と言い訳をして、先送りしているだけではないだろうか。
まずは平日の帰宅後に、サイドプロジェクトとして「したいこと」に挑戦してみよう。そして、自分がその仕事を毎日繰り返せるかどうか、試してみることだ。
充実した一日を過ごすためには目標設定が必要だ。目標設定には4つの段階がある。
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