頭のいい人は「答え方」で得をする

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頭のいい人は「答え方」で得をする
出版社
出版日
2018年05月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

しまった。部長から「取引先との商談、どうだった?」と聞かれて、咄嗟に「いい感じでしたよ」とだけ返してしまった。なんて幼稚なコメントだろう。呆れられてしまったに違いない――。誰しもこんなふうに、自分の「答え方」を悔いた経験があるのではないだろうか。もう決して後悔したくないなら、本書を手に取ってほしい。

著者は『頭のいい人は「短く」伝える』をはじめ、話し方や書き方のベストセラーを多く生み出してきた樋口裕一氏だ。本書はそんな樋口氏が「がっかりされない答え方、一目置かれる答え方」をまとめた一冊となっている。

本書で紹介されている「答え方」のうち、真っ先にマスターしたいのは「話の方向性を示す」+「ポイントを絞ってコンパクトにまとめる」の流れである。あなたは冒頭の例のように、上司から何かの進捗や様子を問われたとき、「いい感じでした」「盛り上がりました」などと小学生のような返事をしていないだろうか。そんなときは、まず言いたいことを「首尾よくまとまりました」「盛況でした」などと大人の表現でまとめてみよう。その後、ポイントをコンパクトに要約して伝えればいい。

本書にはそれ以外にも、一問一答形式で答えがちな人や、必要以上にダラダラと報告してしまう人、褒められたときにうまく対応できない人などに対する「答え方」のアドバイスが掲載されている。仕事を円滑に進めたい人や大人らしいコミュニケーションができるようになりたい人、上司や同僚からの信頼を獲得したい人に勧めたい一冊である。

著者

樋口裕一(ひぐち ゆういち)
1951年、大分県に生まれる。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。
仏文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、小学生から社会人までを対象にした小論文指導に携わり、独自の指導法を確立。通信添削による小論文・作文の専門塾「白藍塾」塾長。多摩大学名誉教授。MJ日本語教育学院学院長。
著書には『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)、『小論文これだけ!』(東洋経済新報社)、『頭が悪くみえる日本語』(青春文庫)、『「頭がいい」の正体は読解力』(幻冬舎新書)、『頭の整理がヘタな人、うまい人』『頭のいい人は「短く」伝える』『頭のいい文章術』『頭のいい人は「答え方」で得をする』『頭のいい人の得する「会話術」』『頭のいい人は「質問」で差をつける』(だいわ文庫)等、多数がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    具体的な質問には抽象的に答え、抽象的な質問には具体的に答えよう。具体→抽象、抽象→具体というやり取りができれば、相手に「カンがいい」と思わせることができる。
  • 要点
    2
    部下から「辞めたい」と言われたときには、オープンクエスチョンで「何かあったの?」と返し、相手にしゃべらせるとよい。その上で、相手のいいところを具体的に褒めるのが効果的だ。
  • 要点
    3
    「善意の人」からしつこく誘われたり提案されたりしたときは、「できません」「無理です」「可能性はゼロです」などとはっきり断るべきだ。決してはぐらかしてはならない。

要約

【必読ポイント!】 バカと思われる答え方、思われない答え方

小学生レベルの感想を答える人
jacoblund/gettyimages

質問に対して、幼稚な感想しか言えない人がいる。仕事で講演会に行ったとして、上司から「講演会はどうだった?」と問われたときに、「おもしろかったです」としか答えられないような人だ。

上司からの「どうだった?」は、「きちんと報告しなさい」という意味だ。「講演会で何を発見したのか」という具体的な情報を求めている。

そんなときはまず、ひと言で話の方向性を伝えよう。ポイントは、知的な表現を選ぶことだ。「盛り上がりました」という言葉を「盛況でした」と言い換えてみると、幼稚な印象が消える。「首尾よくまとまりました」「盤石です」「ご立腹です」も便利なフレーズだ。

最初のひと言は、新聞記事の大見出しのようなものと考えればよい。「五輪開幕」「首脳会談成功」「ロケット打ち上げ延期」など、新聞記事は必ず内容がひと目でわかるキャッチーなフレーズではじまる。この大見出しがあるから、読者はできごとを予測しながら記事を読んでいけるのだ。口頭での報告も同様である。

話の方向性を簡単にまとめたら、自分なりの要約を続ける。「A社のパーティはどうだった?」「盛況でした。著名なゲストのトークコーナーもあり、例のM&Aの裏話も聞けました」といった具合だ。

主観だけでは幼稚だが、いきなり詳細な報告をはじめると、相手は話の先が見えずに戸惑う。「話の方向性を示す」+「ポイントを絞ってコンパクトにまとめる」の流れにすると、スマートかつわかりやすい報告になるはずだ。

一問一答で会話が続かない人

会話を広げるのが苦手な人は、相手の質問に対し、正しい情報を端的に伝えるのがベストだと思い込んでいる。たとえば次のようなやり取りだ。

「昨日の会議、結局どれくらいかかった?」

「フツーにいつも通りでした」

「そう。じゃあ、1時間くらい?」

「そうです」

「でも例の案件はまた解決しなかったんでしょう?」

「しませんでした」

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要約公開日 2023.12.19
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