雑談には、「話す人」だけでなく、それを受けとめる「聞く人」も必要だ。話すのが苦手なら「聞く人」になればいい。
「話す人」と「聞く人」に加えて、雑談には「観覧者」という役割もある。話す人、その話を聞く人の他に、「そのやりとりを楽しむ人」という観覧者がいてこそ、さらに話が盛り上がっていくのだ。
うなずいたり笑ったりツッコんだりして、みんなの会話を一緒になって楽しむ――観覧者も雑談において必要な役割である。
家ではよくしゃべるのに、外に出ると全然しゃべれない人がいる。自分に自信がなかったり、知らない人に心を開くのが苦手だったり、失敗するのが怖かったりして、なかなかうまくコミュニケーションが取れない人だ。
その解決策は、知らない人(利害関係がない人)にあいさつをしてみることだ。具体的には、コンビニやスーパーで店員さんに「ありがとう」と言う習慣をつけるとよい。外食したときは、帰り際に「おいしかった。ありがとうございました」と声をかけよう。
知らない人にあいさつするようになると、他者に対する心の壁が低くなり、脳が「雑談ができるモード」に切り替わっていく。
誰かに話しかけてもらっても、気の利いた返事ができず、会話が止まってしまう。そんな自分にストレスを感じる――このような心情を、著者は「雑談罪悪感」と名づけている。
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