仕事は初速が9割

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仕事は初速が9割
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2023年12月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

会社のためなら残業も長時間労働も当たり前、「努力している」姿が評価につながる——そんな時代は過去のものとなった。いま求められるのは、短時間で成果を出すこと。そんなビジネスシーンの変化を認識してはいても、実際にどう働き方を変えればいいのか戸惑っている人も少なくないはずだ。

そこで本書が紹介するのは、「スピード感のある仕事」を実現している人たちの実際の習慣だ。著者の越川慎司氏が代表取締役を務める株式会社クロスリバーでは、815社、約17万3000人のビジネスパーソンの行動を変えるサポートを行ってきた。行動追跡の結果わかったのは、成果を出し続けている人は、新たな仕事が発生した際、すぐに着手する人が圧倒的に多いということだ。仕事ができる人は、「動き出し」が早い、言い換えれば、「初速が早い」。まさに、「仕事は初速が9割」なのである。

本書には、さまざまなデータや行動実験をもとに、初速が早いことの意義や、初速を上げるための準備、テクニックが多数掲載されている。仕事ができる人をイメージで語るのではなく、成果を出し続けている人が実際に習慣にしていることを紹介しているので、説得力は抜群だ。本書の習慣を実践することによって、ムダが削減され、働きがいを感じやすくなるのはもちろん、残業時間を減らし、自分の時間を増やすこともできる。仕事を充実させたうえでプライベートの時間も増えるのだから、自分の人生の満足度が急上昇しそうな期待が持てる。仕事のやりがいと幸せの両立を目指すなら、本書をおすすめしたい。

ライター画像
池田友美

著者

越川慎司(こしかわ しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役。国内外の通信会社に勤務した後、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。業務執行役員としてPowerPointやExcel、Microsoft Teamsなどの事業責任者を歴任する。2017年に株式会社クロスリバーを設立。世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などメディア出演多数。著書27冊。『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などが世界各地でベストセラーに。オンライン講演・講座は年間400件以上、受講者満足度は平均96%。Voicy「トップ5%社員の習慣ラジオ」が好評配信中。

本書の要点

  • 要点
    1
    短い時間で成果を出し続ける「スピード感のある仕事」を実現している人の仕事の仕方を追跡したところ、「すぐに仕事を始める割合が1.8倍から2.3倍も高い」という傾向が明らかになった。
  • 要点
    2
    初速を上げて仕事を効率的に進めるために、やる気に頼らない仕組み作りが重要だ。
  • 要点
    3
    成果を出し続けている人は「集中を継続すること」を意識して、意識的に作業を中断し、休憩時間を取っている。
  • 要点
    4
    休憩で作業を中断しても集中力が途切れないようにするためには、休憩を取ることと仕事を再開することをセットでルーティン化しておくとよい。

要約

できる人ほど仕事の初速にこだわる理由

できる人は初速が早かった

現代のビジネスパーソンには時間の「効率化」が求められるようになった。残業や徹夜をいとわない働き方はもはや通用しない。

ビジネスにおける評価の対象も、「努力している」といったプロセスではなく、実際の成果であるアウトプットへと移行してきた。短い時間で成果を出し続ける「スピード感のある仕事」を実現している人の仕事の仕方を追跡したところ、「すぐに仕事を始める割合が1.8倍から2.3倍も高い」という傾向が明らかになった。言い換えれば、成果を出し続けている人は「初速が早い」ということだ。

「初速」が上がれば、締め切り前に作業を終えることができ、次のタスクの初速を早めて余裕を持って取り組むことができるようになる。この好循環が成果を引き寄せることにつながる。時間をかけずに多くの成果を出すには、「いかに仕事の初速を上げるか?」という視点が重要だ。

なぜギリギリにならないと仕事が始められないのか
Todd Warnock/gettyimages

仕事は「早く始めて、早く終える」ことが理想であるが、期限ギリギリになってようやく腰を上げる人がほとんどだろう。こうした行動パターンの背景には2つの心理的なバイアスが働いているといわれる。

1つは、締め切り直前になると一気に集中力が高まる「締め切り効果」だ。切羽詰まった状況になると人は驚くほどのパワーを発揮する。その火事場の馬鹿力を期待して、「まだ大丈夫だな」と時間を逆算する習慣が生まれるのだと考えられる。

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要約公開日 2024.01.15
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