目標や夢が達成できる

1年・1カ月・1週間・1日の時間術

未読
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出版社
かんき出版

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出版日
2023年10月02日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「どうやって仕事の計画を立てているんですか」

会社の後輩社員からそう質問されたとき、要約者はうまく回答できなかった。「計画の立て方」は数年単位で時間がかかる大きな目標を考えるときにも、数カ月単位の業務に取りかかるときにも必要な重要スキルだ。しかし、プロジェクトで業務を分担するとき以外は属人的に管理することが多いため、言語化したことがなかった。

「忙しい」という言葉はあまり使いたくないものだが、期限のある仕事が多くなるにつれ、自分の想いや主体性を込められる仕事と時間は減ってしまう。「やりたいことがあるのに、時間が足りない」と気がついても、これ以上仕事のスピードは上げられない。もし時間が空いたとしても、その分だけ別の仕事が降ってくる。それなら目の前の仕事に集中し、粛々とこなしてしまうほうがいい。

そんな要約者と似た悩みを抱えている方は、本書の「タイムコーディネート」を試すことをおすすめする。「どう生きたいか」を考えた上で、人生を充実させるために時間の使い方を選ぶのだ。

目標達成のための時間はあくまで人生の一部分。自分が心地よくなる、楽しくなることを大事にする著者は、有意義な時間の使い方を分かりやすく教示してくれる。ぜひ本書を手に取り、人生を豊かにする時間術をとくと堪能していただきたい。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

吉武麻子(よしたけ あさこ)
TIME COORDINATE(株)代表取締役
タイムコーディネーター
大学卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国留学。その後、現地法人でキャスティングディレクターとして24時間365日仕事に追われる日々を過ごす。
帰国後、キャリアとライフイベントの狭間で葛藤した経験から、疲弊せずに毎日を楽しみながら仕事のパフォーマンスもあげていく「タイムコーディネート術」を考案し、のべ3000名以上に指南。心地よい時間の使い方で、ありたい未来をつかみにいくための「タイムコーディネート実践プログラム」や「タイムコーディネーター養成講座」を開講。
また、シリーズ100万部発行の『時短・効率化の前にいまさら聞けない時間の超基本』(朝日新聞出版)の監修や、タイムコーディネート手帳の製作販売、企業研修、時間の専門家として各種メディアにて掲載・連載執筆を行っている。
プライベートでは2児の母。

本書の要点

  • 要点
    1
    目標達成に必要なのは3つの要素、①どうしても達成したい「目標」、②実行可能な「計画」、③未来を変える今すぐの「行動」だ。
  • 要点
    2
    自分の人生を充実させる「タイムコーディネート」を意識して、ビジョンを1年目標、3カ月目標、1カ月目標、1週間・1日目標へと分解する。
  • 要点
    3
    SMARTなどの目標設定の法則は、活用すると気分が上がるか、逆に煩わしくなって気分が下がるか、自分がどちらのタイプか認識して使い分ける。

要約

やりたいことを現実の一歩に落とし込む

人生を豊かにする「分解時間術」

「やりたいことがあるのに、仕事が忙しい」

「時間管理が苦手で、目標達成できず自己嫌悪に陥る」

このように悩んでいないだろうか。本書は仕事や子育て、介護など、やることを多く抱えながら、限られた時間内で目標に向かって動こうとしている人たちを念頭に、時間術を紹介する。

やりたいこと、目標があることは幸せなことだ。しかし、思った通りに動けず、時間がなくて行動できないと、強いストレスを感じてしまうものだ。目の前のことが山積みで、やりたいことができない。そんなもったいないをなくすため、著者は本書を書いた。目標を達成するために重要な「動く」「動き続ける」ことを、誰もが取り組めるようにするのが本書の狙いだ。

動くといっても、睡眠時間を削り、がむしゃらに行動量を増やすような方法ではない。また、時短や効率化のノウハウだけを学んでも意味がない。まず必要になるのは、自分の時間の整理をすることだ。

人生は、日常の時間の積み重ねで作られている。充実した人生を送るためには「時間の使い方の手綱を自分で握る」ことが大切となる。ポイントは「やりたいことという漠然としたものを現実の一歩に落とし込む」ことだ。

ビジョンから、長期目標、短期目標、今日やることへと棚卸しする「分解時間術」で人生を豊かにしよう。

目標達成に必要な3つの要素
kieferpix/gettyimages

これまで目標の立て方や、目標を達成するための計画の立て方を教わったことはあるだろうか。ほとんどの人は試行錯誤しながら自己流の計画術を編み出したり、行動量で切り抜けたりしてきたはずだ。

しかし大人になると10代の時ほど体力はなく、動ける時間も限られるようになる。行動量ややる気に頼らず、目標達成するために必要な3つの要素を紹介しよう。

まず必要なのは、①どうしても達成したい「目標」だ。あなたの目標は心からやりたいことだろうか。「やりたいことはこれだ!」と自信をもって言える状態か、そうでないかを把握しておくと、自分が動く意味や方向性を見失わずに済む。会社の目標に対しても、自分の意志で個人目標を考えよう。

ポイントは「どうなりたいか」ではなく「どうありたいか」「何を大事に生きていたいのか」を考えることだ。昇進するなどの結果から短期的幸福を得られても、その幸せは長続きしない。「昇進したおかげで、本当にやりたい業務に携われる」「昇進で家計に余裕ができ、家族で毎週末外食できる」のように目標を達成したあとの自分を想像すると、内側からのエネルギーで動けるようになる。

次に必要な要素は達成するまでの道のり、つまり②実行可能な「計画」である。計画通りに進められると、人間は達成意欲を自分で満たすことができ、それが次への行動意欲に結びつく。反対に、計画通りに進まないと投げやりな気持ちや自己嫌悪に陥ってしまう。これは自分に問題があるのではなく、見積もりが甘いだけだ。計画倒れしない、実現可能な計画を立てよう。

最後に必要になるのが③未来を変える今すぐの「行動」だ。自転車のこぎ始めが一番パワーを使うように、行動も最初の一歩が重たい。

そこで、ハーバード大学のショーン・エイカー氏が提唱する「20秒ルール」を取り入れよう。人間は取りかかるのに手間取ることを先延ばしする傾向があるため、よい習慣を増やすために手間を20秒減らすといいというルールだ。例えば、朝ジムに行くことを習慣づけるために、トレーニングウェアを着て寝ると、家を出るまでの手間が20秒減らせる。

目標に向かって行動をするために、小さな行動から一歩を踏み出すようにしよう。

【必読ポイント!】ビジョンから1日まで目標を分解する

ビジョン→1年目標→3カ月目標
Roman Valiev/gettyimages

目標の分解計画術に入る前に、「どう生きたいか」「後悔しない人生とは」「大事にしている価値観」といった「ビジョン」を言葉にしてほしい。目標達成にかける時間は人生の一部分だ。自分が心地よくなるものを選ぶファッションコーディネートと同じように、時間も人生を充実させるために選び、使う「タイムコーディネート」を意識しないと、時間と上手に使い合うことはできない。

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要約公開日 2024.01.10
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