「自分らしい働き方」と言われても、自分には強みなどないと考える人も多いだろう。しかし、100人いれば100通りの生き方がある。誰にでもその人だけの経験があるはずだ。
大切なのは、歩んできた道のりを振り返り、その結果として自分が持っているものを正しく理解することだ。そこから、今後の人生をどう生きたいかを考え、自分のリソースを活かして行動につなげていく。
報酬をもらう「仕事」をしていなくとも、日々の家事や介護、育児、地域活動などをしていたはずだ。働いていない期間にも、私たちは社会とつながり、多くのことを学んでいるものだ。
著者が共同経営する会社では、2016年から離職中の女性の再就職支援をしている。多くの人が離職期間の長さを問わず、再就職を実現している。企業は「さまざまな人生経験を経たことによる精神的な安定感」や「地域社会などで培った多様な存在への理解や共感」などを評価するという。知識やスキルはあとから身につけられる。自分が気づいていないだけで、誰もが強みを持っているのだ。
「自分のやりたいことがよくわからない」という人は多い。働き方について考えるとき、「自分のやりたいこと=好きなこと」や「好きを仕事に」という考え方には注意が必要だ。「やりたいこと」は、自分自身が自分のために能力を活かすことという意味で使われやすい。しかし、「やりたいこと」はそれだけではない。
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