著者は30歳ごろから無駄な買い物をしなくなってきた。自分の生活に必要十分なものが把握できて、買う前に「窮屈な服は買ってもあまり着ない」「一手間かかる家電は買っても使わない」などとわかるようになってきたからだ。結果として、現在はほとんど毎日Tシャツとパーカーで過ごしているし、靴は同じものをリピート購入、パソコンも最低限の機能がついたもので満足している。
気晴らしとしての散財についても気づきがあった。散財において重要なのは、金額よりも「普段とどれくらいギャップがあるか」なのだ。日常的に1000円のものを買っていると1万円のものを買うだけで気晴らしになる一方、日常的に1万円のものを買っていると、10万円のものを買わない限りテンションが上がらない。
その観点から言うと、普段から高いものを買う生活はあまりコスパがいいものではない。著者の場合、普段からあまりお金を使わないため、コンビニでちょっと高いアイスを買ったりガムを一度に2つ噛んだりするだけでも十分な気晴らしになる。
生活レベルを上げると、贅沢気分を味わうにはたくさんのお金を支払う必要がある。だから、普段はあまりお金を使わず安いもので適当に暮らして、たまにちょっとだけ高いものを買う、というのが一番効率のいい暮らし方ではないだろうか。お金をたくさん使うことに慣れすぎないようにしたいものだ。
生きていく上で必要なお金のうち、家賃はかなりの割合を占めている。家賃を抑えられれば、お金や労働に追われずに済むと言っていいだろう。
家賃を抑えるのに一番効果的なのは「家のランクを下げる」という方法だ。この方法を無理なく実践するためには、若いうちにボロい家に住む経験をし、ボロ家に耐性をつけるとよい。そうすれば、どこに引越しても「あの家よりは快適だ」と思えるからだ。
著者はシェアハウスに住んでいるため、月の家賃はごく少額だ。それに、本当にお金がなくなって人付き合いも面倒になったら、山奥に小屋を建てて住むという選択肢もある。「いざとなったらそういう生き方もあるな……」と思うだけで、少し安心できる気がする。
生き方にいくつもの選択肢があると、気持ちの余裕が生まれる。選択肢をたくさん用意するために、いろんな生き方を試してみたり、自分と遠い生き方をしている人に会って話したりしてみるといいだろう。
著者は新しいことを始めるとき、「自分のやりたいことを自分のペースでやること」と「ゆるく外に開いておくこと」を心がけている。
3,400冊以上の要約が楽しめる