著者
及川美紀(おいかわ みき)
株式会社ポーラ 代表取締役社長
ポーラ幸せ研究所 所長
宮城県石巻市出身。東京女子大学卒。1991年株式会社ポーラ化粧品本舗(現株式会社ポーラ)入社。子育てをしながら30代で埼玉エリアマネージャーに。2009年商品企画部長。12年に執行役員、14年に取締役就任。商品企画、マーケティング、営業などバリューチェーンをすべて経験し、20年1月より代表取締役社長(トータルビューティー事業本部長兼務)。 誰もが自分の可能性を拓くことができる社会をミッションに、パーパス経営・ダイバーシティ経営を牽引している。
前野マドカ(まえの まどか)
EVOL株式会社 代表取締役CEO
ポーラ幸せ研究所 アドバイザー
一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科付属SDM研究所研究員。国際ポジティブ心理学協会会員。パートナーで幸福学研究の第一人者である慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏との共著書に『ウェルビーイング』(日経文庫)など。
本書の要点
- 要点
1
組織運営で最も大切なのは、働く人や社会の「幸せ」を追求することである。働く人のウェルビーイングが良いパフォーマンスと成果をもたらすことは、科学的にも証明されている。 - 要点
2
幸せは「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」という4つの因子からできている。個々の因子をバランスよく高めることで、幸福度を高められる。 - 要点
3
幸せで、かつ成果の出せるチームをつくるリーダーには共通点がある。リーダーがメンバーの主体性を尊重し、相手の立場に立って考えることは、幸せなチームづくりに欠かせない。
要約
幸せ経営が利益を生み出す
「ウェルビーイング」が求められる時代
今、世界中で「幸せ」への関心が高まっている。「ウェルビーイング」すなわち身体的、精神的、社会的に良好で健やかな状態であることは、世界的に重要な経営課題だ。日本でも、働く人の幸せを大切にし、社会を幸せにすることを目指す企業が増えている。
世界的にウェルビーイングが注目されるようになった背景には、「モノからココロへ」という、社会の価値観の変化がある。地球環境の悪化や資本主義経済の限界を目の当たりにして、人々は物質的な豊かさではなく精神的な豊かさを求めるようになってきた。特に日本は、G7のなかでは最も幸福度が低いという結果が出ている。経済的・物質的に豊かで安全な国で暮らしているにもかかわらず、幸せを感じられないのはなぜなのか。著者らは、その理由の一つが、一日で最も長い時間を過ごす職場にあると考える。
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要約公開日 2024.01.23
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