まず、ちゃんと聴く。

コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比
未読
まず、ちゃんと聴く。
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コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比
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まず、ちゃんと聴く。
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出版社
日本能率協会マネジメントセンター

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出版日
2023年10月30日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

職場や家庭で聴くことの大切さはずっと語られている。だが、聴くだけでは何も変わらないのではと思う方もいるだろう。そんな方にこそ読んでいただきたい一冊が登場した。

日々、多くの人が事業推進や問題解決、組織の活性化をめざし、コミュニケーションを行っている。「聴いているつもりだが、ちゃんとできているかわからない」「もっとメンバーに信頼して本音を話してもらいたい」と考える人も増えていることだろう。

著者は、聴き合う組織をつくることをめざすエール株式会社の代表である。年間50回以上の講演や研修に登壇し、経営者として社内のメンバーと行う1on1は年間で300回にも及ぶという。本書にはそんな「聴くプロ」である著者が得てきた知見や体験から抽出した「聴く」エッセンスがぎゅっと詰まっている。

タイトルの『まず、ちゃんと聴く。』とはどういうことか。「聴く」とはそもそもどういうことなのか。聴く技術を高めるには何が大切なのか。コミュニケーションの両輪である「聴く」と「伝える」、そして「両立する」技術をどう高めていくのか――。このような内容が体系立てて、実践しやすい形でまとめられている。

本書は自分自身との対話にも大いに役立つ。内省が深まり、自分との関係性の変化にもつながるはずだ。「まず、ちゃんと聴く」があらゆる組織の共通言語になることを願ってやまない。

著者

櫻井将(さくらい まさる)
エール株式会社 代表取締役。
横浜国立大学経営システム科学科卒業。新卒でワークスアプリケーションズ入社。新規営業にて社長賞を受賞後、人事総務部のマネージャーを経て、GCストーリーへ。営業、新規事業開発、マクロビオティック事業の子会社などを担当。両社にてGPTW「働きがいのある会社」ランキングにてベストカンパニー受賞。GCストーリーで働く傍ら、幼児教育のNPOを立ち上げ、保育士資格を取得。ビジネス、幼児教育の現場にいる中で「聴くこと」の価値と可能性を強く感じ、2014年から心理学やコーチング、カウンセリングなどのコミュニケーションを本格的に学び始める。2017年2月よりエール株式会社に入社、同年10月に代表取締役に就任。社外人材によるオンライン1on1サービス「Yell」や、聴く力向上のためのオンライン研修「聴くトレ」の開発・販売に携わり、エールで提供するオンラインセッションは年間30,000件以上にのぼる。自社メンバーとの1on1は年間300回、「聴く」にまつわる講演や研修は年間50回以上行うなど、自身も日々「聴く」に向き合い続けている。慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究所研究員として「個人の幸せと組織の生産性の両立」についての研究も行う。

本書の要点

  • 要点
    1
    「聞く」と「聴く」にはさまざまな違いがある。「共感」を例にとると、「聞く」では、自分と同じ意見・考え方には共感ができるのに対し、「聴く」では、「あなたはそう思うのですね」と、自分とは異なる意見・考え方であっても共感的に関われる。
  • 要点
    2
    「聴く」とは、すべての言動の背景に「肯定的意図」があると信じて相手に関わるというあり方である。
  • 要点
    3
    聴く技術は「あり方×やり方」、聴く力は「聴く技術×コンディション」で構成される。
  • 要点
    4
    「聴く」と「伝える」の両立には、常に悩みが伴う。「相手」「自分」「関係性」をよく観察し、聴くと伝えるを選択していこう。

要約

「まず」「ちゃんと」「聴く」とはどういうことか

「聞く」と「聴く」の違い

本書のタイトル『まず、ちゃんと聴く。』には、「まず」「ちゃんと」「聴く」という3つの単語が含まれている。本書では、「聴く」について、「自分の解釈を入れることなく、意識的に耳を傾ける行為」と定義する。

一般的に「聴く」とは、「意識的に耳を傾ける行為」と定義されることが多い。著者は一般的な「聴く」を「自分の解釈が入るか、入らないか」でさらに分けると、より実用的な定義になると説く。

また、自身の解釈を入れる「聞く」と、入れない「聴く」にはさまざまな違いがある。

例えば「視点」が異なる。「聞く」では、同意・反対、または従う・従わないといった反応が主になる。一方「聴く」は、あくまで相手に寄り添う反応だ。評価や分析などから離れて、相手の話を受け取る。そのため、自分とは異なる意見を持つ相手にも共感的に関われるのが特徴だ。

「ちゃんと聴く」とはどういう態度か
MStudioImages/gettyimages

次に「ちゃんと」とはどういう状態なのか。学校で先生が「人の話はちゃんと聞きましょう」というときには、「黙って」「我慢して」「従う」という3つの要素が含まれている。

これに対し、著者は「相手の言動の背景には、肯定的意図があると信じている状態で聴く」態度が、「ちゃんと聴く」態度であると定義する。ここで登場した「肯定的意図」がキーワードである。

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要約公開日 2024.02.01
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