会話の当事者同士が言葉の定義を曖昧にしたまま話し、お互いわかった気になっていることがある。
たとえば、先輩社員が「チームをまとめるには、仕事内容の見える化が最も大切だ」と言ったとしよう。さて、「仕事内容の見える化」とは、具体的にどんな行動を指しているのだろうか。お互いの解釈を合わせるためには、次のように聞いてみるとよい。
「仕事内容の見える化とは、正確に言うとどういう意味ですか?」
「仕事内容の見える化とは、○○という意味で合っていますか?」
これにより、先輩社員の「仕事の見える化」の定義を聞き出せて、自分のやるべきことが見えてくる。
質問によって得る情報の精度を高めたいなら、「質問の3WHAT」が役に立つ。すなわち、「定義」(それは何か?)、「現象」(何が起こっているのか?)、「結果」(何がその結果起こるのか?)である。
このなかでとりわけ重要なのは、先に説明した「定義」だ。ただ「定義は?」とだけ尋ねると少々厭味に聞こえるので、「僕は○○という言葉をこういう意味で使っているんだけど、あなたは違うのかな?」とソフトな聞き方をしてみるといいだろう。
「質問の3WHAT」の2つ目、「現象」は、直面している問題や状況を尋ねる問いだ。先の例で言えば、「仕事内容が見える化されていないことによって、どんなことが起こっているのですか?」と質問すれば、成果だけでなく課題も聞き出せる。
続いて「質問の3WHAT」の3つ目、「結果」は、将来の予想や展望を明らかにする質問だ。「仕事内容の見える化がうまくいけば、今後どんな結果がもたらされるのでしょう?」などと投げかけることで、未来へ向けての話し合いがしやすくなる。
「3WHAT」は、何か言うべき状況なのにコメントが浮かばないときにも役立つ。意識的に使っていこう。
相手の話が曖昧だったり偏っていたりするときには「3W1H」(WHY・WHERE・WHEN・HOW)の質問が有効だ。
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