頭のいい人は「質問」で差をつける

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頭のいい人は「質問」で差をつける
出版社
出版日
2023年12月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

有益な情報を引き出す、交渉をスムースに進める、人を動かしてチームの成果を上げる……これらはそれぞれ別の能力のように見えるかもしれない。だが本書を読むと、すべて「質問力」につながっていることがわかる。

著者は『頭のいい人は「短く」伝える』『頭のいい人は「答え方」で得をする』をはじめ、話し方や書き方のベストセラーを多く生み出してきた樋口裕一氏だ。本書はそんな樋口氏が、仕事やコミュニケーションを自分の思い通りに進める「質問」の仕方を指南する一冊となっている。

質問によって仕事もコミュニケーションも思い通りになる――このことがピンとこない人に向けて、本書の中から例を挙げてみよう。たとえば、グズグズと動き出せない部下がいるときには「ボトルネックになっていることがあるの?」と質問すればよい。相手にたっぷり自慢させて、求める情報を引き出したいときには、「一体何がきっかけで今のポジションにまで来られたのですか?」と聞けば、相手の「話したい欲求」を刺激できて、コミュニケーションがうまくいく。

本書では、有益な情報を引き出す質問、交渉をスムースに進める質問、信頼を獲得する質問、ピンチをチャンスに変える質問、人を動かす質問が、それぞれ7~10種類ずつ、シーン別に紹介されている。読み進めるうちに、質問はまさに万能で、使いこなせばあらゆる物事がうまくいくということがわかるだろう。そのまま使えるフレーズが掲載されているため、口下手の人にもおすすめの一冊である。

著者

樋口裕一(ひぐち ゆういち)
1951年、大分県に生まれる。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。
仏文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、小学生から社会人までを対象にした小論文指導に携わり、独自の指導法を確立。通信添削による小論文・作文の専門塾「白藍塾」塾長。多摩大学名誉教授。MJ日本語教育学院学院長。
著書には『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)、『小論文これだけ!』(東洋経済新報社)、『頭が悪くみえる日本語』(青春文庫)、『「頭がいい」の正体は読解力』(幻冬舎新書)、『頭の整理がヘタな人、うまい人』『頭のいい人は「短く」伝える』『頭のいい文章術』『頭のいい人は「答え方」で得をする』『頭のいい人の得する「会話術」』(だいわ文庫)等、多数がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    質問によって得る情報の精度を高めたいなら、「質問の3WHAT」を意識するとよい。すなわち、「定義」(それは何か?)、「現象」(何が起こっているのか?)、「結果」(何がその結果起こるのか?)である。この3つの観点は、何か言うべき状況なのにコメントが浮かばないときにも役立つ。
  • 要点
    2
    相手がこちらの提案や条件に同意する気配がないときには、自分の主張理由を述べた後、「賛同しないならこんなよくないことが起こる」と、客観的な根拠とともに示すのが効果的だ。
  • 要点
    3
    仕事の進行状況が思わしくない部下には、相手の言動をまず褒めて情緒的な共感を示した後、行動を促す質問をしよう。

要約

【必読ポイント!】 有益な情報を引き出す

情報の精度を上げる質問
kokouu/gettyimages

会話の当事者同士が言葉の定義を曖昧にしたまま話し、お互いわかった気になっていることがある。

たとえば、先輩社員が「チームをまとめるには、仕事内容の見える化が最も大切だ」と言ったとしよう。さて、「仕事内容の見える化」とは、具体的にどんな行動を指しているのだろうか。お互いの解釈を合わせるためには、次のように聞いてみるとよい。

「仕事内容の見える化とは、正確に言うとどういう意味ですか?」

「仕事内容の見える化とは、○○という意味で合っていますか?」

これにより、先輩社員の「仕事の見える化」の定義を聞き出せて、自分のやるべきことが見えてくる。

質問によって得る情報の精度を高めたいなら、「質問の3WHAT」が役に立つ。すなわち、「定義」(それは何か?)、「現象」(何が起こっているのか?)、「結果」(何がその結果起こるのか?)である。

このなかでとりわけ重要なのは、先に説明した「定義」だ。ただ「定義は?」とだけ尋ねると少々厭味に聞こえるので、「僕は○○という言葉をこういう意味で使っているんだけど、あなたは違うのかな?」とソフトな聞き方をしてみるといいだろう。

「質問の3WHAT」の2つ目、「現象」は、直面している問題や状況を尋ねる問いだ。先の例で言えば、「仕事内容が見える化されていないことによって、どんなことが起こっているのですか?」と質問すれば、成果だけでなく課題も聞き出せる。

続いて「質問の3WHAT」の3つ目、「結果」は、将来の予想や展望を明らかにする質問だ。「仕事内容の見える化がうまくいけば、今後どんな結果がもたらされるのでしょう?」などと投げかけることで、未来へ向けての話し合いがしやすくなる。

「3WHAT」は、何か言うべき状況なのにコメントが浮かばないときにも役立つ。意識的に使っていこう。

聞くべきことをもらさず聞く質問

相手の話が曖昧だったり偏っていたりするときには「3W1H」(WHY・WHERE・WHEN・HOW)の質問が有効だ。

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要約公開日 2024.02.05
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