精神科医が教える 幸せの授業

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精神科医が教える 幸せの授業
出版社
出版日
2023年11月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「いつも幸せでいたい」。これは全人類に共通の願望だろう。そして、この願いをかなえるために仕事や勉強を頑張ってきたのに、全然幸せを実感できていない人も多いのではないだろうか。

本書の主人公、ゆかりは、都内で働く会社員だ。仕事を一生懸命頑張っているのにうまくいかず、ある日、ついに大失敗してしまった。憂さ晴らしのために立ち寄ったバーで『アウトプット大全』『ストレスフリー超大全』などの著書で知られる精神科医の樺沢紫苑先生に出会い、幸せの特別授業をしてもらうことになる――これが本書のあらすじである。

著者の樺沢氏は本書の中で、ゆかりに対してさまざまなアドバイスをする。特に衝撃的なのは、冒頭の「幸せは誰でも同じやり方で確実に手に入れられるんですよ」というセリフだろう。

樺沢氏によれば、幸せには、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福の3種類がある。たとえばセロトニン的幸福は、脳内でセロトニンが分泌されているときに感じる幸福である。つまり「セロトニンはどんなときに分泌されるのか」を知り、その条件を満たせば、幸せを感じられるということだ。

本書では、幸せを手に入れる方法が具体的に提示される。それまでの自分が的外れな努力をしていたことに驚く人もいるかもしれない。すぐにでも本書を読んで、求める幸せに近づいてもらいたいと願う。

著者

樺沢紫苑(かばさわ しおん)
精神科医、作家。1965年札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(47万人)、メールマガジン(12万人)など累計100万フォロワーに情報発信をしている。著書46冊、累計発行部数230万部のベストセラー作家。シリーズ累計90万部の『アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)、『ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)、『読書脳』(サンマーク出版)など話題書多数。『精神科医が見つけた3つの幸福』(飛鳥新社)も8万部のベストセラーとなっており、本書はその図解版。

本書の要点

  • 要点
    1
    幸せを感じているときには、脳内でセロトニン、オキシトシン、ドーパミンが分泌されている。幸せな状態に近づきたいなら、これら3つの脳内物質を出す条件を把握し、満たせばいい。
  • 要点
    2
    セロトニン的幸福をかなえるには、睡眠・運動・朝散歩が効果的だ。
  • 要点
    3
    「ありがとう」と言ったり言われたりするだけで、オキシトシンだけでなく、セロトニンやドーパミン、そしてモルヒネの6倍以上の鎮痛効果を持つエンドルフィンも分泌される。
  • 要点
    4
    ドーパミンは、うまくコントロールすればあなたに自己成長と幸せをもたらしてくれる。コントロールのポイントは「制限」だ。

要約

幸せの基礎知識

幸せの定義

主人公のゆかりは都内で働く会社員、28歳だ。一生懸命に頑張っているのに仕事もプライベートも思うようにいかず、すっかりお疲れモードである。

仕事で大失敗してしまった日、ゆかりは帰り道で立ち寄ったバーにて、同じく客として来店していた精神科医・樺沢紫苑先生と出会った。樺沢先生はゆかりに「幸せは誰でも同じやり方で確実に手に入れられるんですよ」と断言し、「ここで出会ったのも何かの縁ですからね」と、幸せの特別授業をしてくれることになった。

樺沢先生によると、幸せとはズバリ、脳内で幸福物質が出ている状態のことを指す。つまり、幸せを感じているときに脳内で出ている物質と、その物質を出す条件がわかれば、幸せになれるということだ。

私たちが「幸せ」を感じている瞬間に脳内で出ている幸福物質は、主にドーパミン、オキシトシン、セロトニンの3つだ。

ドーパミンの幸福は、お金や成功、名誉、達成の幸せだ。

オキシトシンの幸福は、愛やつながりの幸せである。

そしてセロトニンの幸福は、やすらぎやリラックスなど、心と体が健康な状態でこそ感じられる幸せだ。

3つの幸福の優先順位
イラスト ハルペイ

ドーパミン、オキシトシン、セロトニンの3つには優先順位がある。樺沢先生によると、ゆかりのように「頑張っているのにうまくいかない」人は、この優先順位を間違えている可能性があるそうだ。

仕事で成功すればドーパミン的幸福を得られる。だが、休む、リラックスするというセロトニン的幸福をおろそかにしてドーパミン的幸福ばかり追い求めると、ストレスがたまって疲れてしまう。幸せでいたいなら、休んだりのんびりしたりすることも必要だ。

この説明を聞いて、ゆかりはピンときた。「ということは、ドーパミン的幸福より、セロトニン的幸福のほうが、優先順位は上?」

ゆかりの考えは当たっていた。仕事を適度に頑張るためにも、心と体の健康という基盤は欠かせない。

もう一つ、オキシトシン的幸福も忘れてはならない。家庭をかえりみずに仕事ばかりして、家族に愛想をつかされてしまっては、いくら仕事で成功しても幸せとは言えないのではないだろうか。ゆかりも過去に、残業ばかりして恋人と会う時間がとれず、相手との関係が壊れてしまった経験がある。

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要約公開日 2024.02.06
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