感情は、その場の状況をとっさに判断して引き起こされるものだ。現代の暮らしにおいては過剰であったり、間違いであったりすることも多い。そこに振り回されて苦しくならないように、認知行動療法の1つとして「再評価」という手法がある。
再評価とは、一度立ち止まってその感情が本当に正しいのかを客観的に見つめ直すことで、心の平穏を取り戻す方法だ。ある出来事に対し、感情が最初の評価(primary appraisal)をして、それを客観的に再び捉え直すのが再評価(re-appraisal)である。
ただし、評価という言葉に堅苦しさやマイナスな印象を持つ人もいるかもしれない。そのため本書では、客観的に捉え直すという意味で、再評価を「心をセルフモニタリングすること」とし、「モニタリング」と表現していく。
モニタリングのプロセスは次の4つのステップから成る。
ステップ1:自分の感情に気づく
ステップ2:感情を言葉にする
ステップ3:感情の背景を分析する
ステップ4:行動する
ステップ1は、モニタリングの第一歩である「自分の感情に気づくこと」である。感情が強すぎると、思考しないまま、行動に飛びついてしまう。恐れや怒り、焦りといった望ましくない感情の気配を感じたら、「これはモニタリングのタイミングだ!」と、立ち止まってみよう。
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