「あの人は親切に教えてくれそうだ」「忙しそうだから、この人はやめておこう」というように、人は相手から醸し出される雰囲気を感じ取り、無意識に話しかける人を選んでいる。
「声をかけられる人」には共通の特徴がある。そのひとつが、顔を上げていることだ。顔を上げると自然と背筋が伸び、まわりに心を開いている印象を与えられる。また、視線が外を向いているため人と目が合いやすくなる。
逆にうつむき加減の人は、自分の殻に閉じこもっているようで声をかけにくい。とくにうつむいてスマホを触っている人は、「話かけないでオーラ」を発しているように見える。顔を上げているかどうかだけで、印象はまったく違ってくるのである。
心では「話しかけてほしい」と思っているのに、恥ずかしくてうつむいてしまうこともあるだろう。そんなときは、自分ではなく他人に意識を向けて顔を上げてみよう。自動的に心が開き、明るい気分になれるはずだ。
また、「近づきたい」と思った人には、あいさつにひと言添えるといい。「おはようございます。朝晩、涼しくなりましたね」といった当たり障りのない言葉でも、相手から「おはよう。過ごしやすくていいね」と返ってきて、会話に発展するかもしれない。
相手の名前を呼ぶと、距離が一気に縮まる。たとえば、「〇〇さんは、どう思いますか」と名前を入れて聞かれると、自分が尊重されているように感じるはずだ。連呼しすぎはよくないが、適度に名前を呼ぶことで親密度はぐんと高まる。コミュ力に自信がなくても、簡単に距離を縮められる秘策である。
また、饒舌で「話し上手」な人は華やかに見えるが、じつは「話し上手」よりも「話させ上手」のほうが得をする。多くの人は、他人の話を聞くより自分の話を聞いてもらえるほうが、断然嬉しいものである。会話は自分の話をする“主役”よりも、相手に話をさせる“脇役”の方が得をする仕組みになっているのだ。
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