キャリアを切り開く言葉71

「自分の強み」に磨きをかける
未読
キャリアを切り開く言葉71
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「自分の強み」に磨きをかける
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キャリアを切り開く言葉71
出版社
出版日
2023年09月29日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

キャリアに悩む若いビジネスパーソンをはじめ、進むべき道を見失いがちなすべての人々にとって、誰かの「言葉」は、自分の人生の方向性を捉え直すためのよすがとなる。何かを理解し、誰かに共感し、誰かを励ますといった言葉の効果を信じて、キャリア設計の専門家である著者が、1000日以上にわたって紡ぎ続けた言葉を集めたのが、本書だ。

著者は、キャリア設計や組織戦略の専門家であるが、本書のテーマはそれだけにとどまらない。新規事業を始める際のインスピレーションに関する項や、年齢を重ねるにつれて重要になっていくコミュニティについて書かれた項など、仕事を起点としながらも人生全体にかかわる思考と行動のヒントがちりばめられている。一つの項ごとに短くまとまっているので、どの項から読み始めても不自然なく読める。

著者の言葉を通じて、読者はさまざまな思考実験を体験できるだろう。人生には様々な岐路があり、それは人それぞれに異なる。このため、「言葉には出会うべきタイミングがある」のも当然だ。手に取る読者によってその時の自分に「刺さる」言葉も違ってくる。本書を手に取った折は、目次に目を通し、自分に「刺さる」と思えるページを探すことからぜひ始めてみてほしい。あなたの必要としている言葉に、自然と目が留まるはずだ。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

北野唯我(きたの ゆいが)
兵庫県生まれ。神戸大学経営学部卒。新卒で博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。その後、ボストン コンサルティング グループに転職し、2016年、ワンキャリアに参画。取締役CSOとして全社戦略領域を担当し、21年10月、東京証券取引所マザーズ市場に上場。また、各メディアに「職業人生の設計」「組織戦略」の専門家としてコメントを寄せる。著書に『転職の思考法』(ダイヤモンド社)、『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版)などがある。20年より、事前審査型コミュニティ「SHOWS」を主催。

本書の要点

  • 要点
    1
    なにかを持ち続ける力としての「握力」をキープするのに重要なのが「好き」という軸である。握力は、いい時も悪い時も、最後まであきらめない理由となる。それは、合理だけからは生まれない。
  • 要点
    2
    次も会いたいと思われる人は、「内容のチラ見せ」すなわち「期待値」を発生させるのが上手い。これはWEBサービスやマーケティング活動においても同様である。
  • 要点
    3
    経営戦略において組織文化は一番重要である。文化を作るためにはトップを巻き込み、「言語化」し「行動する」ことで、組織文化を「耕す」ことが重要である。

要約

【必読ポイント!】 マインド

賢者は歴史に学ぶ
deimagine/gettyimages

本書は、著者がコミュニティのメンバーに発信してきた「応援歌」としてのメッセージを厳選したものである。要約では、そのなかからいくつか紹介する。

まずは「アブダクション」についてだ。これは著者がよく使っている思考法である。アブダクションは「仮説提起的な発見的思考」とも呼ばれるが、「A→Bという方程式が成り立つならば、Bが起きているということはきっとAがあるはずだ」と考える筋道のことだ。したがってその価値は、「個別具体の事例から『未来を予測できること』」である。

一方で、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉もある。ビジネスとはほとんどが「人の事」であり、かつての戦国武将や将軍が悩んだのも「(天下統一)事業」と「人」のことである。

新しい理論を生み出す際にはアブダクションが有効であるが、経営やビジネスなど、「同じことの繰り返しの場」においては、過去からの学びが多い。

『貞観政要』という中国の古典には、「三鏡」という話がある。三鏡とは、「銅の鏡」「歴史の鏡」「人の鏡」を指す。銅の鏡は自分を見直すためにあり、歴史の鏡は過去の失敗や成功から学ぶためにある。そして人の鏡は、部下の厳しい直言など、「最も耳が痛い事実から学ぶこと」を意味している。

「成功者は未来に学ぶ」と著者は付け加える。孫正義氏のタイムマシン経営はその好例だ。不確実で根拠のない未来に向かって勝負を仕掛けるには、その未来を「信じること」が大切になる。

諦めずにつかみ続ける

すごい経営者ほど、どこかのタイミングで大きくお金を使うのだという。著者は、「身銭を切って体験すること」を重要視している。それだけの真剣さを持ってお金を使うことは、「意地でもその投資分を回収しよう」というインセンティブにつながる。それは、成長機会も拡げてくれる。「長く愛されていてその上で高いもの」には、学びが隠れている。素人な領域でこそ身銭を切り、その投資分を「回収しにいく過程で価値に気づく」ケースもあるのだ。

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要約公開日 2024.02.20
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