「できるだけ話さないですませたい」。それがコミュニケーションについて、著者が根本で抱いているモチベーションである。著者は子どもの頃から社交が苦手で、大人になっても性格診断をするといつも「内向的」という結果が出るほどだった。
本書は、伝えることに苦手意識を持つ人のための「コミュニケーションの極意集」だ。「できるだけ話さないですませたい」と密かに思いながらも、「社会人としてそんなことではいけない」と無理して頑張っている人は多い。
そういった本音はあるが、「人は独りで生きていけない」というのもまた事実である。だからこそ「伝える力」を簡単に諦めてはいけない。内向的だからといって、すべてを自己完結していては人生もキャリアも詰んでしまう。
「伝えたくない、でも伝わってほしい」という相反する想いを叶えるにはどうしたらいいか。本書ではその極意をお伝えする。
「伝える」と「伝わる」は1文字しか違わないが、どうすれば一致する「伝え方」ができるだろうか。その答えは、「見せて」伝えるである。
たとえば「道案内」をする時、地図があるとないとでは、伝えやすさはまったく違うのではないだろうか。口頭だけでは聞く側も話す側も伝えづらいが、「地図」を1枚介するだけで、伝わる度合いはグンとアップする。
ビジネスコミュニケーションにおいても、この「見せる」動作は伝え方の基本である。それが最も短時間で効率的で、かつ相手の時間を奪わないですむからだ。
「見せる」ためには、何か見せられるものを用意しなければならない。そのキーワードは「トヨタ」である。
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