自分を変える話し方

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自分を変える話し方
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

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出版日
2023年09月21日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

よく「やりたいことを仕事にしよう」といわれるが、今の仕事と「やりたいこと」が完全に重なっている人はどのくらいいるのだろう? むしろそんな「現代の神話」に惑わされて、「自分探し」から抜け出せない人は多いかもしれない。

本書の著者もその一人であった。著者は人気YouTube番組「ホリエモンチャンネル」で約10年MCを務めた女優・寺田有希さんだ。堀江氏やゲストとの見事な掛け合いで番組を彩ってきた著者だが、MCは本来「やりたかったこと」ではなかったという。女優として花を咲かせることが夢だったが、ひょんなことから声をかけられた世界に「えいや」と飛び込んで、思いもよらなかった才能が開花した。自分の才能は、他者の方が案外わかっている。誰かの言葉を信じて行動することで、人生が拓くこともある――。本書で著者はそんなメッセージを読者に送る。

本書では前半に著者の半生が綴られ、そして後半にMC経験で培った「話し方」のノウハウが詰まっている。「人と関わるのが怖かった」という著者が説く「話し方」はどちらかというと「聞き方」に重きがおかれ、「コミュニケーションが苦手」という人でも心理的ハードルなく試すことができるだろう。相手の良さを引き出しながら、自分も楽しくなるような会話。名MCならではのコツがおしみなく披露されている。

著者の飾らないエピソードは、特に人生に迷う若い世代に響くことだろう。話し方のコツと人生のエールが詰まった熱くお得な一冊、ぜひ多くの人に手に取ってもらいたい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

寺田有希(てらだ ゆき)
ベンチャー女優、MC
1989年生まれ。大阪府出身。
明治大学文学部文学科演劇学専攻卒業。
2004年芸能界デビュー後、2012年芸能事務所との専属契約を終了して独立。
2023年1月に約10年間務めた『ホリエモンチャンネル』のアシスタントMCを卒業。
メンズファッションチャンネル『B.R.CHANNEL Fashion College』やオーデマ ピゲ『時計のはなし』などでMCを務めるなど、多岐にわたり活動中。
著書に『対峙力』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人は環境を変えるだけでは変わらない。自分を変えるには、新たな視点を持って本当の自分と向き合うことが必要だ。
  • 要点
    2
    「やりたいこと」と「できること」が一致するとは限らない。誰かの「あなたにはこれが向いている」という言葉を信じて、チャレンジしてみるのも一案だ。
  • 要点
    3
    コミュニケーションが苦手な人は、相手と自分の話す量を「7:3」にするといい。
  • 要点
    4
    会話の初めはシンプルな質問をして、相手のタイプを見極めよう。その後はタイプに応じて、相手を深掘りする質問を重ねていこう。

要約

「人生を変える」ために必要なこと

自分を好きになること

よく、人生を変えるための一番の方法は「環境を変える」ことだといわれる。著者もその言葉を信じて何度も「環境の変化」を選択してきた。だが、それで自分の願望や変化を手に入れることができたかといえば、決してそうではなかったと振り返る。

そもそも「人生を変える」とはどういうことか? 人生を変えるといっても、性格や過去を変えたり、未来をコントロールできるようになったりするわけではない。著者の解釈では、人生を変えるとは「自分のことをもっと好きになり、もっと愛せるようになること」である。

自分のことを好きだと思えて、楽しみながら自分の人生を歩むことができたら、「人生が変わった」といえるのではないだろうか。人生を変えるには「自分を好きになること」が不可欠なのである。

人は環境だけでは変わらない
Byjeng/gettyimages

著者はこれまで幾度も「環境の変化」を選択しながら、自分自身を変えることができなかった。

中学3年生の時に芸能事務所のオーディションを受け、憧れの芸能界デビューを果たした。仕事は順調に増えていき、新人女優の登竜門とされるオーディションにも合格。成功体験が積み上がっていくことで「自分の信念を貫くこと」に固執するようになり、まわりの人の助言に耳を貸さなくなっていった。そして仕事は徐々に減っていった。

当時大阪に住んでいた著者は「仕事がないのは地方にいるからで、東京に出れば状況は好転するはず」と考え、大学進学と同時に拠点を東京に移した。だが仕事の状況が良くなることはなく、悪くなる一方だった。

今振り返ると、著者が変えるべきは「環境」ではなく、頑なに凝り固まった自分自身の「考え方」と、人の言葉を聞き入れられないほどの荒んだ「心」だった。これらの経験により、著者は「環境だけでは人は変わらない」ことを実感した。

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要約公開日 2024.03.11
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