コミュニケーションの代表的な悩みに「伝え方」がある。例えば「自分の思いを誤解されないよう伝えたい」「異なる意見でも受け入れてもらいたい」といったものだ。こうした悩み全般に使えるのが「ワクチン・ワード」である。具体的には、これから伝える内容で相手がどんな感情を抱くのかを予測し、その感情変化のショックをやわらげる言い回しを指す。
伝えにくいことを話すときには「ちょっと言いづらいことなのですが」「あえて厳しい言い方をすると」といったワクチン・ワードを使う。こうした前置きがあると、相手は心の準備がしやすい。
ワクチン・ワードの効果を高めるためには、「ポジティブ・サンドイッチ」という手法も有効だ。伝えたい内容の最初と最後をポジティブなメッセージで挟むのだ。例えば、依頼していた資料がイマイチだったときは、まずはお礼を伝える。その上でワクチン・ワードを使ったダメ出しをし、最後に期待を伝えよう。もっとも手軽な「ポジティブ・サンドイッチ」は「感謝」だ。「ありがとう」があるかないかで、その後の言葉の印象が変わる。
誰かと会話をしていて、沈黙になることは多々あるだろう。ただ、そこで気まずく感じて適当な話題を出したり、相手が聞きたくなさそうな話をしたりしてはいけない。これらは、ただ沈黙を埋めるためだけの行為だからだ。相手が話し出す機会を奪うだけでなく、相手から「つまらないやつだ」と思われるリスクもある。ではどう対応するといいのか。
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