緊張してもうまく話せる人は、緊張との付き合い方を身につけ、話せない人は克服しようと無理をする。
緊張は人間に備わった防衛反応だ。慣れない状況に身をおくと、「危険が潜んでいるかもしれない」と体が緊張して警告を発する。自分を守ろうとするサインである緊張は、あなたの味方だ。だから克服しようとする必要はない。そう考えれば、少し気が楽になるはずだ。
緊張は克服しようとせずに、上手に付き合う方法を探したほうがいい。例えば、緊張で本番中に頭が真っ白になってしまう人は、本当は本番のもっと前の段階で緊張を感じているはずだ。その前段階の緊張に何も対応せずにいてはいけない。緊張を放置していたら、体は「もっと緊張させなきゃ!」と緊張の強度を上げてしまう。だから、何も考えられないように頭を真っ白にしてしまうのだ。
緊張は感じはじめた時点で対応するようにしよう。「緊張に気づいたよ」「周りに危険はないよ」と体に言い聞かせて教えてあげるといい。あなたが緊張とうまく付き合えるようになれば、防衛反応も安心して弱まっていく。
緊張してもうまく話せる人は多くの人が緊張すると知っていて、話せない人は自分だけが緊張すると思い込む。
大舞台で活躍する人は人前で緊張しないと思われがちだが、そんなことはない。2023年3月のWBC(野球の世界一決定戦)の日本チームの優勝に貢献したあの大谷翔平選手でも、世界一をかけた9回裏にマウンドに立ったときのことを、「最後ほんと緊張しましたけど」とインタビューで話している。人前で大活躍を見せる人であっても、緊張しながらがんばっているのだ。
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