聴きポジのススメ

会話のプロが教える聴く技術
未読
聴きポジのススメ
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聴きポジのススメ
出版社
出版日
2023年05月31日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

なぜかみんなから愛されている、この人だったら何時間でも話せる、初対面の相手を一切緊張させない……このような人たちはきっと「聴く力」の持ち主だ――本書はこんなメッセージから始まる。

著者は長年、TBSのアナウンサーとして活躍し、永六輔氏、みのもんた氏、久米宏氏、竹中直人氏などのアシスタントを務めてきた堀井美香氏だ。現在はフリーアナウンサーとして多方面で活躍している。

本書では、そんな「聴く」ことのプロである著者が、会話において「聴きポジ」につくことの重要性とそのノウハウを教えてくれる。

書名にもある「聴きポジ」とは著者の造語で、「話し手のポジション」に対する「聴き手のポジション」のことだ。著者は「聴きポジにつく」と強く意識してはじめて相手の話が聴けるのだとしたうえで、「聴きポジ」につくと場の主導権を握れると主張している。また、会話が盛り上がらないと悩むこともなくなるそうだ。

「共通の話題を見つけて沈黙を埋めなければ」と焦ったり、「つまらない人だと思われているかも」と落ち込んだりしたことのある人は、ぜひ本書を手に取っていただきたい。仕事でもプライベートでも、人と人が関わる上で避けては通れない会話の場面が心地よいものとなり、人生がより豊かになるに違いない。

ライター画像
鈴木えり

著者

堀井美香(ほりい みか)
フリーランスアナウンサー。
1972年、秋田県生まれ。1995年、TBSにアナウンサーとして入社。永六輔、みのもんた、久米宏、竹中直人(いずれも敬称略)など、個性的な先達のアシスタントを長年にわたって務めた。2022年3月に退社し、現在はフリーランスアナウンサーとして活動。ジェーン・スーとの大人気ポッドキャスト「OVER THE SUN」など、独立後の活躍も目覚ましい。著書に『「OVER THE SUN」公式互助会本』(左右社)『音読教室 現役アナウンサーが教える教科書を読んで言葉を楽しむテクニック』(カンゼン)『一旦、退社』(大和書房)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    「聴き手のポジション」(聴きポジ)につくと、会話がラクになり、相手からの信頼を得ることもできる。
  • 要点
    2
    会話のきっかけをつくりたいときは、相手との共通点を探しがちだが、それよりも「ふつうと違うところ」「自分と違うところ」を見つけて質問するのがおすすめだ。「違い」は「共通点」よりも見つけやすいだけでなく、おもしろい会話をもたらしてくれる。
  • 要点
    3
    安心感を与えたいシーンでは、相手の0.9倍速のスピードで話すとよい。また、相づちの打ち出しを相手の話にかぶせないこともポイントだ。

要約

【必読ポイント!】 「聴きポジ」とは何か

「話し手のポジション」と「聴き手のポジション」

会話には2つのポジションがある。それは「話し手のポジション」と「聴き手のポジション」だ。攻守がはっきりわかれている野球と同様、会話も「聴く」と立場を決めたら徹底して聴いてはじめて、きちんと「聴ける」ものである。

本書では、聴き手のポジションのことを、略して「聴きポジ」と呼ぶ。聴きポジにつくとは、相手の話を耳だけでなく心に入れ、ときには質問も交えながら、相手の真に伝えたいことを理解することだ。

「聴きポジ」は仕事もプライベートもうまくいく

あまり親密でない人と話すとき、「なにか話題を提供しなきゃ(どうしよう)」「なんだか盛り上がらないなあ(どうしよう)」などと焦ることがあるだろう。「聴きポジ」につけば、こうした「どうしよう」に悩む間(ま)もなく、会話がスムーズに流れていく。

「聴きポジ」につくと、「この人はわかってくれる」「心地いい」「ついついいろんなことを話してしまう」と、よい印象を持ってもらえる。相手からの信頼が得られ、仕事もプライベートも円滑に進むことだろう。

「聴きポジ」が会話の主導権を握る
Worawee Meepian/gettyimages

「聴きポジ」の人は会話の主導権を握れる。相づちや質問により、相手の発言のどこにフォーカスして展開していくかで、会話の流れが変化するからだ。

たとえば先輩と話していて、相手が「昨日○○社のAさんとふたりで飲みに行ったんだけどね、今日から新入社員が部署に配属されるんだって緊張していたよ」と言ったとしよう。ここであなたが「Aさんとはよく飲みに行くんですか?」と言うか、「今年はどんな新入社員が入ったか聞いてますか?」と言うか、それとも「先輩も新人さんに緊張したりするんですか?」と言うかで、話の方向性は大きく変わる。

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要約公開日 2024.02.11
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