月曜日の朝一番、三流はメール返信に追われ、二流はフルパワーで仕事を始め、一流は「影響力のある2つのタスク」をまず書き出す。
一週間のスタートとなる月曜日の朝、三流のように溜まったメールや通知の確認から始めると、本当に取り組むべきタスクが後回しになり、あっという間に時間が過ぎていく。また、二流のように月曜からフルパワーで仕事を始めると、疲れが溜まり、一週間のペース配分がしづらくなる。
一流が月曜日の朝にやっているのは、「影響力のある2つのタスク」をメモすることだ。このひと手間で、成果に影響しないタスクに時間や労力をかけすぎずに済む。
そもそも「やるべきこと」は「影響力」と「緊急度」という2つの基準で決まる。
影響力の高いタスクは「将来の大型顧客に対する提案活動」や「理想の管理職になるためのリーダーシップ研修への参加」などで、長期的な成果や目標の達成に大きく関わるもの。緊急度の高いタスクは「本日中に提出すべき報告書」など、スピーディーに対応しなければならないものだ。
一流は緊急度よりも影響力を重視する。緊急ではないが影響力の高いタスクこそ、効率を上げつつ成果も上げられるからだ。
また、一流は「やるべきこと」だけでなく「やめるべきこと」にも目を向けている。成果に直結しない活動や他者がより効果的に行えるタスクはばっさり切り捨てて、本当に注力すべき仕事にコミットするのだ。
著者は、7815人を対象として、影響力のある2つのタスクと、「やるべきこと」と「やめるべきこと」の基準を週の初めに書き出すという行動実験を2か月実施した。その結果、77%が「労働時間の削減につながった」と回答した。
三流はいつもメールの返信を後回しにし、二流はなるべく早く返し、一流はいつでも返信が早い。
著者のクライアント39社において、人事評価の上位5%の社員(一流)と、上位40%(二流)、そして下位20%(三流)の社員のメール送信の傾向をそれぞれ調査・分析した。その結果わかったのは、一流社員のメールのチェック頻度は平均よりも少ないということだ。
ただし、一流社員はメールのチェック頻度こそ少ないものの、返答がダントツで早かった。日程調整の場合はすぐに候補日を返信し、返信に時間がかかる場合は「今週金曜の17時までに回答します」などと目途を伝えていた。
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