人生に、上下も勝ち負けもありません。

焦りや不安がどうでもよくなる「老子の言葉」
未読
人生に、上下も勝ち負けもありません。
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焦りや不安がどうでもよくなる「老子の言葉」
未読
人生に、上下も勝ち負けもありません。
出版社
日本経済新聞出版

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出版日
2024年10月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

大きな契約を獲得した同期社員を見て、つい「どうしてあいつが」と思ってしまった。

チームのためにいつも雑用を引き受けているけれど、感謝も評価されない。

休日を有意義に過ごすはずだったのに、もう夕方だ――。

あなたもこんなふうに、焦りや不安を感じることがあるだろう。これ以上誰かを嫉んだり自分を責めたりする前に、ぜひ本書を読んでもらいたい。

本書の著者、野村総一郎氏は、精神科医として45年間、延べ10万人以上の患者さんと向き合ってきた。そんな著者によると、「自分は能力が低く、誰にも評価されない」「友人たちは充実した生活を送っていて妬ましい」といった悩みの大きな原因は「いつも他人と比べてしまっている」ことにあるという。そしてこの悩みを解決するには、古代中国の思想家・老子の教えである「ジャッジフリー=ジャッジすることを意識的にやめる」が有効だと書いている。

本書では「他人が気になったら」「人を妬ましく思ったら」「自分は何も残せていないと思ったら」「認めてもらえないと思ったら」など、さまざまな悩みに対して、老子の言葉を引用しつつ、「ジャッジフリー」で考えるためのヒントが示される。それぞれに「鏡の思考」「足湯の思考」「昆布の思考」「太陽の思考」といったユニークな名前がつけられているのもポイントだ。モヤモヤしているときに読めば、心がふわっと軽くなるに違いない。

著者

野村総一郎(のむら そういちろう)
精神科医。医学博士。元防衛医科大学校病院長。
1949年生まれ。慶應義塾大学医学部を卒業後、テキサス大学医学部、メイヨー医科大学に留学。帰国後、立川病院神経科部長、防衛医科大学校教授、防衛医科大学校病院長などを歴任。その後、六番町メンタルクリニック院長として、仕事や人間関係に悩む人のカウンセリングに携わる(現在は名誉院長)。 「読売新聞」の「人生案内」回答者を17年間務め、親身で適切なアドバイスが好評を博した。主な著書に『「心の悩み」の精神医学』(PHP新書)、『新版 うつ病をなおす』(講談社現代新書)、『「ぐるぐる考えすぎ」から抜け出す心のストレッチ法』(王様文庫)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    まわりの動向が気になるときは、「鏡の思考」で自分のことだけを見るようにしよう。他人と自分を比べて「勝った」「負けた」と右往左往するのではなく、自分自身と競い合うのだ。
  • 要点
    2
    みんなから「すごい」と言われる人を羨ましく思ったら、「昆布の思考」で考えてみてほしい。本当にすごい人はアピールなどしないし、そもそもあなたが日々やっていることは必ず人の役に立っている。
  • 要点
    3
    自分のがんばりを認めてもらえていないと感じたら、「太陽の思考」の出番だ。あなたのがんばりはお天道様が見ている。純粋に「自分が好きな自分」として振る舞っていればいい。

要約

【必読ポイント!】 つい、人と比較してしまうときの処方箋

他人が気になったら――鏡の思考

誰しも、勝ち負けにこだわりすぎると疲れてしまうものだ。「つい、あの人の動向が気になってしまう」「あの人が活躍している姿を見ると、微妙に心がザワザワする」ときには、「鏡」のことを考えてみてほしい。つまり、自分のことだけを見るようにするのだ。

老子の言葉に「人に勝つ者は力有り。自ら勝つ者は強し」というものがある。これは「人に勝つ人というのは力(権力、経済力、腕力)がある。しかし、本当に強いのは、『自分の弱さに勝つ人』だ」といった意味合いだ。

他人に勝つよりずっとむずかしいのは自分に勝つことだ。自分の弱さを見つめ、自分の置かれた状況を知り、それに不満を持たず、欲を出すこともない。老子によると、これができる人こそ、真に強い人だ。

「そうは言っても、やっぱり社会では他人に勝たないと始まらないよ」と思う方もいるだろう。だが、必ずしも競争に参加する必要はない。今後の人生を誰かと競いながら過ごすかどうか、いま一度、自分に問いかけてみてほしい。

そもそも「勝ち負け」という概念自体があやしいものだ。負けがあるから勝ちがあるし、勝ちがあるから負けがある。どちらもなければ、ただ自然な状態があるだけだ。

他人と自分を比べて「勝った」「負けた」と右往左往する前に、鏡を出して自分の顔をまっすぐ見つめてみてほしい。競い合うべき相手はあなた自身だ。

人を妬ましく思ったら――足湯の思考
CandyRetriever/gettyimages

誰かの成功に焦ったり、嫉んだり、自分を情けなく感じたりしたときは「足湯」のことを考えてみてほしい。足湯は低い位置にあるが、それでも人がどんどん集まってくる。

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要約公開日 2024.12.31
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