強く生きる言葉 〈新装版〉

未読
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出版社
イースト・プレス

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出版日
2024年11月22日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

日本を代表する芸術家・岡本太郎。1970年に開催された大阪万博のシンボル「太陽の塔」や、「芸術は爆発だ」という名言を思い起こす人も多いだろう。

本書は、岡本太郎が残した言葉をまとめた一冊だ。初版は2003年だが、20余年のときを経て新装版として再出版された。

岡本太郎は自身の作品と同様、エネルギッシュな人物であった。本にしたためられた太郎の言葉は短くも力強く、ストレートに突き刺さる。そして、人目を気にしながらびくびく生きる私たちを一喝する。

「やろうとしないから、やれないんだ」

「カッコよく生きようとするのは自分自身に甘えているにすぎない」

「能力の限界を考えていたら何もできやしないよ」

「誰もが、あえて出る釘になる決意をしなければ、時代はひらかれない」

本書には、何度も「賭ける」という言葉が出てくる。自分に賭ける、人生に賭ける。成功するかどうかなんてわからないし、その道が正しいかもわからない。そのような卑しい気持ちを持たず、むしろ「成功なんてしなくていい」と開き直って己を貫き通す。そうやって命の限り生きてきたのが、岡本太郎という人間なのだ。

本書は読者を選ばないが、とりわけ若い人たちに読んでもらいたいと思う。自分の行きたい道に進む勇気が持てない。将来を考えると足がすくむ。進路を親に反対されている。そんな葛藤を抱える令和の若者に、太郎の言葉を贈りたい。

「人生はキミ自身が決意し、貫くしかないんだよ」。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

岡本太郎(おかもと たろう)
1911年生まれ、1929年に渡仏し、30年代のパリで前衛芸術運動に参画。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと行動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と送り出す。70年大阪万博のテーマプロデューサーに就任し、太陽の塔を制作。96年に没した後も、若い世代に大きな影響を与え続けている。『今日の芸術』『日本の伝統』(光文社)、『強く生きる言葉』(イースト・プレス)ほか著書多数。

岡本敏子(おかもと としこ)
1926年生まれ。大学在学中に岡本太郎と出会い、出版社勤務を経て秘書となる。以来、半世紀にわたって生活をともにしながら制作に立ち会い、執筆活動を支えるなど、公私にわたるパートナーとして岡本太郎を支えた。太郎没後は、岡本太郎記念館の開設や太郎著作の復刊など、岡本太郎を次代に伝える活動に全霊を傾けた。2005年没。著書に『岡本太郎に乾杯』(新潮社)、『自分を賭けなきゃ』(イースト・プレス)ほか。

本書の要点

  • 要点
    1
    やりたいことがあるなら、やればいい。人に認められようなどと思わないで、己を貫くことだ。力は自分を賭けることで湧き出てくる。
  • 要点
    2
    駄目なら駄目なりに自由に生きていけば、道はおのずとひらかれる。
  • 要点
    3
    たとえ三流でも、自分がいいと思うなら堂々と主張しよう。その価値を広めるために尽力することで、世界は変わってくる。
  • 要点
    4
    瞬間瞬間に爆発し続けるのが、いのちのほんとうの在り方だ。

要約

【必読ポイント!】自分

才能

よく「あなたは才能があるからできるんだ」という人がいるが、それはウソだ。やろうとしないからやれない。それだけだ。

「自分は弱い」なら、弱いまま、ありのまま進めばいい。そうすれば勇気が出てくるはずだ。もっと平気に、自分自身と対決してみてごらん。怖ければ怖いほど、そこに飛び込んでみるんだ。

一生を賭けてやっていくことを見つけたいなら、己を貫くことだ。人に認められようだなんて思ってはいけない。

「すごい!」という感動や、自分の内部に起こった炎のような衝動。それを起爆剤にして「よし、自分もやろう!」という気になれば、エネルギーがスパークする。

気まぐれでもかまわない。ふと惹かれるものがあったら、先のことなど考えずにパッと手を出してみよう。

自分を賭ける
Masafumi_Nakanishi/gettyimages

自分に能力はないと決めつけて、引っ込んでしまってはいけない。いわゆる「能力」や「才能」を超えて、「己の決意を見せてやる!」というつもりでやってみればいいのだ。むしろ、「能力はないほうがいい」くらいの気持ちで平然と闘えば、逆に能力は開花する。

ぼくは強い力を持っていないし、お金があるわけでもない。頭もそれほど優秀ではないかもしれない。このようにマイナス面ばかりだが、マイナスが大きければ大きいほど、自分の中で何かがふくれあがってくるのを感じる。

弱いのなら、弱いまま進めばいい。自分を賭けることで力は出てくるものなのだ。

失敗

何かをやって失敗すると、その失敗にこだわってクヨクヨ悩む人がいる。でも、そんなことを気にしてはいけない。悩んだり考えこんだりするヒマがあるなら、もう1度、新しい気持ちでやってみよう。

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要約公開日 2024.12.25
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