ムダがなくなり、すべてがうまくいく 本当の時間術

世界の研究から導き出したタイムマネジメントの結論36
未読
ムダがなくなり、すべてがうまくいく 本当の時間術
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世界の研究から導き出したタイムマネジメントの結論36
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ムダがなくなり、すべてがうまくいく 本当の時間術
出版社
出版日
2024年10月23日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

病気になってはじめて健康のありがたみを知るように、失ってからその価値に気づくことは多い。その最たるものが、時間だ。「もっと大事なことに時間を使っていたら」「時間を浪費してしまった……」と、人生の後半になってから後悔することもある。

だが、「時間を無駄遣いしよう!」と思って過ごしている人はいないはずだ。その時々で“やるべきこと”に勤しみ、それなりに一生懸命生きている。それでもあとになって悔やむのは、「自分の人生の目的」「本当に大切なこと」がわかっていなかったからではないだろうか。

私たちの毎日は、目の前の“やるべきこと”をこなすことで回っている。しかし、それらは本当に“今やるべきこと”なのだろうか。本書では興味深いエビデンスが紹介されている。それは、脳は「緊急性と重要性の区別がつかない」というものだ。たとえば「急ぎだから」と仕事を頼まれると、今やっている仕事を差し置いてそちらに取りかかってしまうことがある。しかし、よく考えてみると最優先でやらなくてもよかった……ということはないだろうか。

同じようなことは、「人生」でもよく起こる。私たちは「緊急ではないけど重要なこと」を後回しにしがちだ。その結果、「人生の後悔」が生まれるのは想像に難くない。

本書は、世界中の論文や研究結果をもとにした「本当に大切なことをするための時間術」を教えてくれる。今からでも遅くない。有意義な人生を歩みたいのなら、ぜひ本書を手に取ってほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

望月俊孝(もちづき としたか)
昭和32年山梨県生まれ。上智大学卒。自身が時間管理に大いに悩んだ結果、10年以上にわたり「時間術」を研究。行動科学や心理学を応用し、成果に直結する時間管理を「本当の時間術」として体系化。ヴォルテックス代表。1冊15分で読めてリターンを最大化させる「4C読書法」、夢実現を加速するツール「宝地図」、世界に広がる癒し「レイキ」、セルフ・イメージを90分で書き換える「エネルギー・マスター」提唱者。国際レイキ普及協会主宰。主な著書に『心のお金持ちになる教科書』(ポプラ社)、『今すぐ夢がみつかり、叶う「宝地図」完全版』(主婦と生活社)、『未来へ導く 1%の人だけが知っている魔法の読書法』(イースト・プレス)、『人生の優先順位を明確にする1分マインドフルネス』(KADOKAWA)、『何歳からでも結果が出る本当の勉強法』(すばる舎)など43冊、著書累計100万部以上発行。7ヶ国語に翻訳出版。36歳のとき、借金6000万円を抱えリストラされるも、1年でV字回復。これまで学びに億単位の投資をしてきて、67歳を超えた今でも、新しい知識の吸収と自己成長が生きがい。

本書の要点

  • 要点
    1
    「急ぎのタスク」に惑わされず、自分の人生の目的のために生きなければならない。
  • 要点
    2
    やってみたいけど難しそうなことに出会ったら、「時間」を基準に判断しよう。それをやって幸せになれそうであれば、迷わず挑戦すべきである。
  • 要点
    3
    目標達成のための行動は、少しフライングして始めよう。そのほうが気持ちよくスタートでき、達成率も上がる。
  • 要点
    4
    「To Doリスト」は4つまでにしよう。それぞれ「なぜ重要か」を考えて、自分の価値観を再確認することが大切だ。

要約

本当に成果が出る「時間術」

なぜ「時間術」を学ぶ必要があるのか

ジョンズ・ホプキンズ大学のジュマン准教授らは、ある興味深い研究を発表した。被験者は商品レビューを5本書いたらチョコレートをもらえるが、「24時間以内に提出したらチョコレート5個」「10分以内に提出したらチョコレート3個」の2つの条件から選ばなければならない。

2つを比べると明らかに前者の方が好条件だが、被験者の30%が後者を選択した。なぜこのようなことが起きるのだろうか?

その理由は「脳」にある。人間の脳は「緊急性」と「重要性」の区別が苦手で、よく考えれば損や不要なことでも「時間がないから急いで」と煽られると、そちらを優先してしまうのだ。これを「単純緊急性効果」と呼ぶ。

この実験には続きがある。後者を選択しようとした被験者たちに、「締め切りが厳しいうえチョコレートは少なくなります。本当にそちらでいいですか?」と念を押すと、考え直す人が続出したのだ。

時間術を学ぶ意義はそこにある。どんな行動も「本当にやる必要があるのか?」「それをやることで、自分の人生の目的にどうつながるのだろうか?」と考えたうえで取るべきだ。本当に大切なことだけを「効果的」におこなうことこそが、「本当の時間術」の極意なのである。

「捨てる勇気」を持つ
matdesign24/gettyimages

“現代経営学の神様”ピーター・ドラッカーは、生産性を高める際は「捨てる勇気」が大切だと説いている。

それを象徴するエピソードがある。あるときドラッカーは「フロー体験」を提唱した心理学の最高権威ミハイ・チクセントミハイ博士から「創造性に関するインタビュー」を依頼されたが、これを断った。

ドラッカーは丁重に断りの返事をしたあと、次のように述べている。「生産性とは他人の仕事を助けることではなく、(こうした)すべての誘いを“特大のくずかご”に入れることなのです。天から与えられた才能を生かすには、持てる時間をすべてそこに費やす必要があります」。

才能は徹底的な集中から生まれる。しかし、私たちは山積みのタスクに囲まれ、さまざまな依頼や誘惑も飛び込んでくる。それを切り捨てるには、「NOと言える勇気」を持つことが不可欠だ。

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要約公開日 2024.12.23
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