組織の体質を現場から変える100の方法

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組織の体質を現場から変える100の方法
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2024年09月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「新しい提案をしても『前例がないから』と却下される」「話は聞いてもらえるが、結局実行に移されない」「やっぱり何をしても無駄」

職場にそんな空気がただよってはいないだろうか。

組織には、その場の空気がある。誰が決めたわけでもないのに、「なんとなく」そうしなければならない気持ちにさせられる、暗黙のルールのようなものだ。それはそこにいる人たちによって「なんとなく」醸成され、「なんとなく」守られ、「なんとなく」継承されていく。この目に見えない雰囲気のようなものを、著者は「組織の体質」と呼ぶ。一人ひとりは優秀なのに、組織という単位になったとたんに「ザンネン」になってしまうのは、この「体質」のせいなのだというのが著者の主張だ。

「組織の体質」は、場を支配し、そこで働く個人の意識や価値観までも変えてしまう。これを古いままアップデートしなければ、時代についていけない組織になってしまう。現代を生き残るために、「組織の体質」改善は必須なのだという。

本書によれば、「体質」を変えるのに必要なのは、小さな一歩である。小さなことでもいいので、個人が行動を起こすことが、「組織の体質」を変えることにつながっていく。「なんとなく」できあがっていった「体質」は、意志を持った行動で変えていけるのだ。本書はそんな小さなステップを紹介している。

「何をしても無駄」という諦めこそ、「組織の体質」に毒された結果かもしれない。自分から行動を起こし、自分の力で組織を変えていこう。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

沢渡あまね(さわたり あまね)
作家/企業顧問/ワークスタイル&組織開発/『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰/あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/一般社団法人プロティアン・キャリア協会アンバサダー/DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)、『新時代を生き抜く越境思考』『バリューサイクル・マネジメント』『職場の問題地図』『マネージャーの問題地図』『仕事ごっこ』『業務デザインの発想法』(いずれも技術評論社)、『「推される部署」になろう』(インプレス)、『うちの職場がムリすぎる。』(すばる舎)など、著書多数。趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング推進者。

本書の要点

  • 要点
    1
    一人ひとりは優秀なのに、チームや組織という単位になるとギクシャクしてしまうことがある。これは組織の「体質」が原因だ。体質は、同調圧力や慣習によって醸し出される暗黙の了解のようなものだ。これを放置すると、そこで働く人々の思考や行動、価値観も悪い方向へ変わっていってしまう。
  • 要点
    2
    慣習や環境を変えていけば、組織の体質も変わっていく。1つでも行動に移せば、それに共感する人が出てきて、いつかそれが多数派になるかもしれない。組織体質は意志のある行動で変えていける。

要約

【必読ポイント!】 悪いのは、組織の「体質」かもしれない

人に合わせて組織を変える

あなたが新規事業のアイデアや、ちょっとした業務改善を提案したとしよう。マネージャーや同僚が親身になって話を聞いてくれても、いざ実行に移そうとすると、「前例がないから」「それがうちのルールだから」と、まるで話が進まない。そんな経験はないだろうか。

こうした組織では、一人ひとりは優秀なのに、チームや組織という単位になるとギクシャクしてしまっていることが多い。この状況を放置すると、そこで働く人々の思考や行動、価値観も悪い方向へ変わっていってしまう。

組織がこのような状態になってしまう要因は、「みんながそうだから」という同調圧力や、「これまでもそうしてきたから」という慣習などによる暗黙の了解である。それはすなわち、組織の「体質」だ。

組織の体質は自力では改善しにくい。なぜなら組織の内部にいるとその異常さに気づきにくいからだ。「おかしい」と思う人がいても、人間関係や上下関係が声を上げにくくさせる。

組織を辞めていく人に対して「合わせられないほうが悪い」と考えるのは、「組織の体質に人が合わせている」状態だ。これを脱し、「人に合わせて体質を変える」必要がある。本書は現場から組織体質を変えていく方法を提案する。

組織の文化度を高める
howtogoto/gettyimages

では、組織はどのような体質を目指すべきなのだろうか。

実は、これは簡単にはいえない。そもそも体質の良し悪しは断言しにくいものだからだ。旧態依然とした昭和的スパルタ組織にも、年次にかかわらずフラットでオープンなコミュニケーションを行う組織にも、それぞれメリットとデメリットがある。組織として成果が出ており、人を傷つけたり法律に反したりしない限りは、いずれの体質も「アリ」なのだ。

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要約公開日 2024.12.24
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