100冊中51冊と、もっとも繰り返し述べられていたのは締め切りの大切さだ。締め切りを設定することのメリットは多数ある。締め切りがあれば先送りを避けることができる。また、締め切りを守ろうとすることで、段取りがよくなり、集中力が発揮され、内容の質も高くなりやすい。さらに、締め切りに向けて必死に考えるため、新しいアイデアも見つかりやすくなり、締め切りが守れれば自信もつく。
締め切りを設定するうえで重要なのは、本来の締め切りよりも前倒しして、自分の締め切りを設定することだ。締め切りを前倒しする根拠として、100冊中6冊で挙げられていたのが、イギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した「パーキンソンの法則(第1法則)」だ。この法則によれば「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」。私たちは時間があればダラダラしたり、余計な仕事を増やしたりして、与えられた時間をすべて使い果たそうとしてしまうのだ。だから、作業時間やタスクを膨張させないよう、本来の締め切りよりも前に自分の締め切りを設定しておくべきだ。
優先順位にしたがって行動すると、目先の作業にとらわれずに、やるべきことに集中しやすくなる。100冊にはさまざまな優先順位のつけ方が掲載されていたが、とくに多かったのは「緊急度と重要度を軸に決める」「難易度で決める」「納期と所要時間で決める」の3つだ。
100冊中17冊で紹介されていた「緊急度と重要度を軸に決める」方法として有名なのは、スティーブン・R・コヴィー博士の「時間管理のマトリクス」だ。このマトリクスでは、縦軸に重要度、横軸に緊急度をとって、タスクを4つの領域に分類する。このうちでもっとも優先すべきなのは、緊急度も重要度も高い領域だ。緊急でもなく重要でもないことは、最後にやるか、やらないと決めてもいい。では、緊急だが重要ではないことと、緊急ではないが重要なことだったら、どちらを優先するべきだろうか。答えは、緊急ではないが重要なことだ。
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