最初にインストールしてほしい「悩まない思考の大原則」は2つある。
1つ目は「思いどおりにいかない」と「うまくいかない」は違うということだ。
Aさんが出かけようとしていたところ、電車が運休になってしまったとしよう。ここでAさんがその場にへたり込み、電車の運転再開を祈り始めたとしたら、あなたはどう思うだろう? 「電車がダメならタクシーや自転車、徒歩で向かえばいいのに」と思うのではないだろうか。
世の中の悩みはこのケースと同じ構造をしている。ゴールに向かって行動するとき、たいていの人は「こうしよう」という計画や「こうなるだろう」という予測、「こうなったらいいな」という願望を持つ。しかし、いざ行動してみると、たいていそのとおりにはいかない。こうした事態を「問題」という。
問題が起きたからといって、ゴールをあきらめる必要はない。別のルートに切り替えればいいだけだ。
ところがこのとき、Aさんのように、思いどおりにいかなかったからと、ルートの切り替えをあきらめてしまうことがある。これが「悩み」の状態だ。
別ルートに目を向けられなくなる原因は、「うまくいかない」と「思いどおりにいかない」を混同してしまっているからだ。「思いどおりにいかない」と「うまくいかない」を切り分ける思考グセが身についていると、物事が思いどおりに運ばないとき、「これは思いどおりにいかなかっただけだ」と考えることができ、落ち込まなくなる。
「うまくいかない状態」とは、目指すゴールにたどり着けない状態である。これに対し、「思いどおりにいかない状態」とは、“予定していたルートでは”ゴールにたどり着けない状態を意味している。
問題があるからといって、それをくよくよ思い悩む必要はない。思いどおりにいかなかっただけだから、「次の一手」を考え、それを実行しさえすればいいのである。
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