消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」

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消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」
出版社
出版日
2024年09月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

朝、目が覚めたらまずはメールとSNSをチェック。ベッドを出たらアプリでラジオをつけて、ニュースを流しながら身支度を整える。通勤電車では小説を読み、駅からオフィスまでの徒歩8分は英語のポッドキャストを聞く。スマホ片手にランチを済ませ、帰宅後はテレビを横目に夕飯の支度。バスタイムは湯船のなかでドラマを観てリラックス――。実はこれ、要約者の友人の実生活だ。現代社会に生きる忙しいビジネスパーソンは、限られた時間のなかにできるだけ多くの情報を詰め込もうとしている。

問題は、私たちが情報の海で溺れそうになっていることだ。マインドフルネス、ヨガや瞑想、「何もしない時間」が盛んに提唱されていることからも、いかに多くの人が情報によって翻弄され、消耗しているかがわかるだろう。

本書は、ベストセラー『トヨタの会議は30分』でも知られる戦略コンサルタントの著者が、「いかに情報を捨てるか」を説いた一冊である。

「情報」と聞いてまずイメージするのは、テレビやSNS、本など、各種メディアから受け取る情報だろう。著者はそこから一歩踏み込んで、「何かを判断し、行動する際に参照するもの」 すべてが情報であると定義する。つまり、周囲の人とのコミュニケーションや自分自身の感情までもが情報なのだ。

想像してみてほしい。こうした情報のうち、本当は要らないものをきれいさっぱり捨てることができたら、世界はどんなにシンプルでクリアになるだろうか――。ムダなく成果を出す働き方と、迷いのない自由な生き方を手に入れたい人は、是非本書を読まれたい。

ライター画像
奥地維也

著者

山本大平(やまもと だいへい)
戦略コンサルタント。データサイエンティスト。
F6 Design株式会社代表取締役。
1978年大阪府生まれ。2004年に京都大学大学院エネルギー科学研究科を修了後、トヨタ自動車に入社し新型車の開発業務に携わる。トヨタグループのデータサイエンスの大会で優勝経験を持つほか、副社長表彰・常務役員表彰を受賞する。その後、TBSへ転職。「日曜劇場」『SASUKE』『輝く!日本レコード大賞』など、主に看板番組のプロモーション及びマーケティング戦略を数多く手掛ける。さらにアクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を積み、2018年に経営コンサルティング会社F6 Design株式会社を設立。新規事業のプロデュース、ブランディング、AIを駆使したマーケティングや組織改革を得意としている。趣味はアウトドア、野球。著書に、10万部突破のベストセラー『トヨタの会議は30分』(すばる舎)のほか、『「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)、『嫌な仕事のうまい断り方』(日経BP)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事を早くこなすためには、テキストベースのコミュニケーションに依存しないこと、すべてのメッセージに即レスしないことが重要だ。
  • 要点
    2
    人間関係で疲弊しないために、違和感を抱くコミュニティからは離れるべきだ。自分を実力以上に見せようとする虚栄心も捨てよう。
  • 要点
    3
    ニュース番組ではコメンテーターの発言を無視し事実だけをキャッチする。自分で全部覚えようとするのではなく他人を頼る。こうすることで、脳にかかるストレスを軽減できる。
  • 要点
    4
    他人の意見にも自分の考えにも5回「なぜ?」と聞くことで、思考がクリアになる。

要約

【必読ポイント!】 仕事の効率を上げるために捨てるべきこと

テキストベースのコミュニケーション

近年のビジネスシーンでは、メールやチャットを介したテキストベースのコミュニケーションが主流になっている。しかし、便利で効率的に思えるこの習慣が、かえってストレスを生み出している場合がある。

「お疲れ様です、資料のデータを送っていただけますか?」

「この問題、どうすればいいでしょうか?」

「田中部長、会議室の予約が済みました」

こうした、ちょっとした依頼や進捗報告、込み入った相談事、あるいは同意の返事や感謝の言葉などは、口頭で直接伝えたほうが早いはずだ。声をかけるだけなら10秒で済む要件も、テキストを打つと送信までに数分もかかってしまう。チャットは短文にすると誤解も生じやすく、トラブルさえ引き起こしかねない。

社外の人間に対しても同様だ。例えば新規案件を進めるとき、何往復もテキストだけで情報のラリーを行うのは非効率だ。「例の新規案件の進め方についてご相談なのですが、今お電話よろしいでしょうか?」とだけメッセージを送り電話で話したほうが、物事が早く進むし、お互いの認識にズレが生じない。

さらに、ここぞという重要な場面では相手に直接会いに行くべきだ。相手のもとに足を運び、お互い顔を突き合わせて話し合うと、表情や空気感といった「非言語コミュニケーション」が生まれ、より緊密な協力関係を築くことができる。

即レス
Wipada Wipawin/gettyimages

チャットやメールは「読んだら即レス」すべしという考えが、ビジネスマナーとして当然視され始めている。確かに、スムーズに仕事をするためには素早い返信が基本ではあるし、特にトラブル発生時には迅速な対応が鍵になる。だが、すべての連絡に即レスしようとするのは行き過ぎだ。自分の仕事が何度も中断され、集中できず、疲れやすくなる。

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要約公開日 2024.12.17
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