好奇心のチカラ

大ヒット映画・ドラマの製作者に学ぶ成功の秘訣
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おすすめポイント

大ヒットドラマとなった『24 -TWENTY FOUR- 』やアカデミー賞を受賞した映画『ビューティフル・マインド』のプロデューサー、それが著者ブライアン・グレイザーだ。

著者は好奇心のチカラをフル活用することで、現在にいたるまでのキャリアを築きあげてきた。特筆すべきは、様々な物事に没頭している人と面会するというきわめてシンプルな試み、「好奇心会話」を35年以上も続けてきたことである。著者のとどまることを知らない想像力は、おそらくこの習慣にもとづいているのだろう。

本書には、ハリウッドの映画プロデューサーだからこそ語れる映画界の華やかなエピソードや、会うことを許された各界の一流の人たちとの会話が、随所に散りばめられている。「好奇心会話」のサンプルも充実しており、これだけでも一読の価値がある。

「私にとっての好奇心とは、どんなことにも可能性をもたらしてくれる力だ。好奇心とは、文字どおり私の成功の鍵であり、幸福の鍵である」と著者は語る。好奇心とは、創造性と革新のための起動スイッチであり、自分の世界観を広げてくれるエネルギー源だ。好奇心に満ちあふれていれば、日常生活さえも極上のエンターテイメント作品のように感じてしまうに違いない。

ビジネスに役立つ要素がここまで詰めこまれているにもかかわらず、こんなにもエンタメ性に富んでいる本はなかなかない。大人になっても好奇心をもち続ける秘訣を知りたいのならば、ぜひ本書を読んでみていただきたい。

著者

ブライアン・ グレイザー (Brian Grazer)
『ビューティフル・マインド』『アポロ13』『スプラッシュ』『ブル~ス一家は大暴走!』『24 -TWENTY FOUR- 』『8 Miles』『Empire 成功の代償』 『J・エドガー』などのプロデューサー。製作した映画やテレビドラマで、43のアカデミー賞、149のエミー賞にノミネートされている。2007年には、タイム誌の選ぶ世界で最も影響力を持つ100人のひとりに名を連ねた。

チャールズ・ フィッシュマン (Charles Fishman)
『ウォルマートに吞みこまれる世界』(ダイヤモンド社)、『The Big Thirst』などで知られる作家。ビジネス・ジャーナリズムの最高賞とされるジェラルド・ローブ賞を3度受賞している。

府川由美恵(訳)
明星大学通信教育部教育心理コース卒。主な訳に『アイスウィンド・サーガ』シリーズ、『物語の法則』(以上KADOKAWA)、『脳が読みたくなるストーリーの書き方』(フィルムアート社)、『上海ファクター』『黙示』(以上早川書房)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    拒否されることが多い世の中で自分のしたいことをするには、何年かかっても最後までやりとげる粘り強さが必要だ。粘り強さは好奇心から得られるものの価値を高めてくれる。
  • 要点
    2
    関係者全員で同じ目的や目標意識をもたなければ物事はうまく進まない。成功するには意識のすり合わせが大切である。
  • 要点
    3
    指示されるよりも、何をするか自分で選びたいと思うのが人間の性質だ。指示をするのではなく、好奇心をもって質問することのほうが、うまく人をマネジメントできる。

要約

敏腕プロデューサーになるまで

きっかけは好奇心だった

大学を卒業した著者は、ロースクール進学までの長い休みにするアルバイトをどう探そうか考えていた。すると、不意に窓の外から今日付けでワーナー・ブラザーズの法律事務員を辞める人の話が聞こえてきた。

著者がすぐさまオフィスに電話をかけると、翌日の15時に面接に呼ばれた。その面接の15分後には法律事務員のアルバイトとして採用されていた。

世界が開かれた瞬間
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

法律事務員としての業務は書類を届けることだった。実働は1日1時間程度なのに8時間の時給がもらえる、簡単だがつまらない仕事だった。だが、書類が1970年代のハリウッドにその名を轟かす大物に宛てたものだと気づいてからは、仕事がおもしろいと感じるようになった。

しかし、当然のことながら、一介の法律事務員がハリウッドの著名人に直接会えるわけがない。たいていの場合は、彼らに雇われたアシスタントやドアマンが書類の受けとり人だったからだ。

著者は、どうにかして大物に会えないかと考えた。そこで、「書類を宛名の人に届けたことを自分で確認しなければならない」という、もっともらしい口実をつけた。すると、アシスタントやドアマンは納得し、部屋の中に入れてくれた。

こうして著者は大物たちと会話ができるようになった。ただ、大物たちと会うからといって、仕事をくれと頼んだりすることはしなかった。意見を聞いたり、将来の仕事についてアドバイスをもらったりするだけだった。

間もなくして、著者はロースクールよりも映画ビジネスの方がおもしろいと思うようになった。結局、著者はロースクールに行くのを辞め、1年間ワーナー・ブラザーズの法律事務員として働くことを選んだ。それがすべての始まりだった。

【必読ポイント!】 好奇心の価値を高める

拒絶されてもめげない精神力を
BrianAJackson/iStock/Thinkstock

28歳になった著者は、人魚が陸に上がったら何が起きるのかということに強く興味を惹かれ、このアイデアを軸に映画のストーリーをつくろうと思った。ところが、共同経営者のロン・ハワードを含めて、誰もがこのアイデア に「ノー」をつきつけてきた。いくら売り込みをしても映画のスポンサーはつかず、相手にもされなかった。

それでも著者は、自分以外の人が何を拒否しているのかを粘り強く考え続けた。辿り着いたのは、

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要約公開日 2017.07.09
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